TWO,TOO
FIREBALLET


1. GREATE EXPECTATIONS

2. CHINATOWN BOULEVARDS
  CROSSTOWN OVERTURE/EAST-WEST MELANGE
  DATELINES,DEADLINES,PARABELES,HEADLINES

3. IT'S ABOUT TIME

4. DESIREE

5. FLASH

6. CARROLLON

7. MONTAGE EN FILIGREE


 この冗談の様なジャケを見て「プログレのアルバムだ」と思う方はまず居ないであろうと思われます。こんな書き出しをしたからにはプログレなんですけど、中古レコード屋で最初、プログレのコーナーで手にとった時には「当り」と思いました。でもこのジャケットでしょ、聴くまでは妙に不安がありました。しかしなんと聴いたら!吹っ飛びましたよ!! パスポートレコードという70年代アメリカのプログレの多く(しかもB級) を出しているレーベルということで早く気付けば良かったんですが、なにせこんなジャケでしょ(笑)。
 本作は彼らのセカンドアルバム。一枚目は未聴なのですが、資料によればムソルグスキーの「はげやまの一夜」をやってるとの事、聴いてみたいなぁ。CD化されてるらしいのですが見た事ありません。レコード起こしって話も伝わってきます。

 話を戻します。このアルバムですが、いや、流れる様な曲展開に加え、コーラスも充実。イエスを軽くしてポップ度合いを高めたと言えば解りやすいかな、こういう言い方あまり好きじゃないんですがね。
 ドラムの人が作・編曲しているせいか、起伏の多い曲調。この手のジャンルに見られる唐突に展開が変わる曲調ではありますが、それほど曲の流れからは断絶している感もなく、ギミックというかインパクトとしてしっかり機能しています。
 ドラムの手数が妙に多いのもドラマー編曲のせいか?だからといってリズムだけが強調されている訳ではないのがこのバンドの特徴。曲メロが良いのからこそひとつひとつのパートがよく見えてくるんですね、それにしては ただ手数が目立つってだけの話です。
 もうひとつ、コラースアレンジの過剰さにも目を向けてみましょう。編成はリードボーカル1人にバックのボーカルが3人。A1の奇妙な感じオペラ風味やA3の明解にベートーヴェンの第九の4楽章を引用したコーラスに聴かれる様、クラシックかかってるんですが、クイーンの様に壮大にならず、こちらもまた親しみポップ度合いが高いのがポイント。でも、ロックバンドとしては過剰に凝ったコーラスワークです。
 そんな意味で注目点はB1。これはカヴァーでレフト・バンクというグループの作品。詳しくは僕のレビューを参照してもらいたいのですが、レフト・バンクもまたコーラスワークを重視していたグループ。この曲をカヴァーしたっていうのは結構確信犯的で、もしレフト・バンクがプログレ化していたら彼らっぽくなっていたんじゃないか?なんて事を臭わせる様なカヴァーですね。
 B1のオリジナルが入っていたアルバムタイトルが「TOO」でこのアルバムが「TWO TOO」ていうのは単なる偶然か、それとも何かの符丁なのか?興味はつきません。
 
 これ日本盤でCD化してくんないかなぁ?B級プログレ紙ジャケ流行りのうちじゃないと絶対出す機会失うしなぁ。内容は僕が保証します(あてにならん保証だなぁ)から非英語圏ばっかりじゃなく、どちらかといえば日陰者っぽい扱いのアメリカのプログレにも日を当てて欲しいなぁ。