エジンエンジン評価試験用ツィーダ ヴァル・ヴァサーゴ大佐専用機

Illustration:江神号

エジンエンジンを搭載することによって、ツィーダの性能は実戦に耐えるレベルまで引き上げられた。ここにきて軍にもようやくTUの正式採用推進派が現れる。

その筆頭とも言える存在が、ヴァル・ヴァサーゴ大佐である。名門の家系である大佐はこの巨大な人型兵器に西洋の騎士の姿を重ね合わせ、軍部の象徴としてこの兵器を採用すべきだと判断。歩行試験型、武器運用試験型、出力向上型の評価試験を何度にもわたり専門家に検証させ、また自ら開発企業に足を運び開発を見守った。

エジンエンジンの搭載で、実用化の目処がようやくにも立ったその時、ヴァサーゴ大佐からTU開発部にカスタム機の製造の話が持ちかけられる。エジンエンジン搭載型をさらにチューンナップした専用機で、評価試験に大佐自身の操縦で参加するというのだ。開発部としても、量産が前提の機体とは別にフルチューンした機体の性能を評価してもらえるのであれば、と二つ返事でカスタム機の製造が決定したのである。

こうして開発されたカスタム機「エジンエンジン評価試験用ツィーダ、ヴァル・ヴァサーゴ大佐専用機」は評価試験において凄まじいまでの性能を見せ、TUの導入に反対する多くの上層部をその実力で黙らせることとなった。

TU時代の第一歩が踏み出された瞬間である。

<武装>
長斧:ナギ・ナッター。「ナギ」は「nag」で、老いぼれ馬を意味しているが、これはTUを戦場まで輸送し、戦場では盾となる突撃車両設計案の名称。長斧の形状を持つナギ・ナッターはこの「ナギシステム」
にTUが搭乗した突撃状態でも使用できるようにと開発されたヒート・ナッターの改良武器である。なお、移動補助システムとして早いタイミングで立案されたナギシステムだが、実用化は随分と後になったとか。

Illustration:上昇気流、武者

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