エクアトロ

Illustration:武者

地球府が、X3:エクスリーの設計に独自の改良を加えて開発した、白銀色の試作TU。「地球府のへそ」(*1)にて建造された。

基本構造や変形機構などはエクスリーに準じるが、ハンドモジュール技術と同時に第三勢力<真静>から譲り受けた
貴重な<基斥>(*2)発生装置を搭載しているのが特徴である。また頭部がミアフ流体研究所(*3)製のX2と同型であるが、その理由はつまびらかでない。武装として振動破砕槍を携行するほか、<基斥>がその拳を何よりの武器とする。

*1:地球府のへそ
地球府本部がおかれた施設。エルフアート大陸(*4)の中央に位置する巨大な竪穴を利用した空間である。ロスト・パスト(暗黒時代以前の過去)においてはウルル、あるいはエアーズロックの名で呼ばれた場所であるらしい。 

*2:<基斥(きせき)>
<真静>のTUが利用する推進システムは、機体に配された明緑色の装置でハイトニックフラクタルに干渉し、反発力を得て移動するというものである。この仕組みを、便宜名<基斥>と呼ぶ。ワームホール制御技術の残滓であるとみられるが、時空を跳躍するほどの埒外な斥力を生む<基斥>発生装置は現在の<真静>には創り得ない。なお、<基斥>の力は推進のみならず、格闘戦を行う際の四肢の保護にも用いられる。信託軍TUの多くが空手なのは、このためである。 

*3:ミアフ流体研究所
かつてヴィンデ傘下の企業だったが、独断でXシリーズを開発したためにヴィンデの逆鱗に触れ、壊滅の憂き目に会った。ミアフ研、ミアフ流研などと略される。

*4:エルフアート大陸
地球の南半球に浮かぶ大陸。緑なす地球の中でもひときわ動植物に満ち満ちた地であり、その幻想的な風景から「妖精の芸術」とまで名付けられた。ロスト・パストにおいてはオーストラリア大陸と呼ばれていたらしい。


セイン・トリバー・ナイン・ドライバ

エクアトロのパイロット。第九席シューカー。交戦規定が有名無実化した時代にあって、
あくまで火砲を使わぬ戦闘スタイルを貫いた人物である。胸には高位席の証のメダルが確認できる。

なお彼はのちに、三大文化圏の拮抗という従来の構図を一変させる転機となる「ワームホールの虹」事件(仮)に巻き込まれ、乗機エクアトロともども行方不明となっている。

エクスリーのパイロット、ネネア・フィリア・フィッター・ネクロアとの一葉。「ブレードフィッター」の称号めでたき剣士たる彼女もまた、白兵TU戦を得手としたシューカーとして知られる。

Illustration:武者

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