●ストーリー

荒れ地の中を、巨人が進んでいく。
「ふぅぅ〜」
巨人の肩で眠っていたパウは、大きく伸びをして目を覚ました。
「おおい、アウ、そろそろ昼ごはんにするか」
パウは、コックピットにいる息子に声をかけた。
「うん」
そのとき、パウは太陽の方向に黒い影をみた。
「おいアウっ、ポカルタンから降りろ!」
パウはコックピットからアウを出し、自分がコックピットに入り込んだ。
「その辺に隠れてろ」
息子に告げると、パウはコックピットのハッチを閉めた。
と同時に、ポカルタンと呼ばれた巨人の前に、別の3体の巨人が降り立った。手には剣と盾を持っている。
「レビネーゾタイプか…」
パウはつぶやいた。パウがレビネーゾと呼んだ3体の中の、赤い塗装をした1体が声をかけてきた。
「パウさん。先日ご連絡したように、お迎えに上がりました」
パウは返す。
「その話は断ったはずだ」
「これは相談ではないのですよ」
赤い機体のパイロットがそう言うと、残りの2体はポカルタンを中心に散開した。
「パウを殺すなよ」
その声を合図に、3体のレビネーゾはポカルタンめがけて突っ込んできた。
「!?」
1体目のレビネーゾの突きを体を沈めてかわしたポカルタンは、相手の足首をつかみ、勢いを利用してぶんまわした。突撃してきた2体目は、仲間の機体にぶつかってはじかれる。ポカルタンがそのまま手を放すと、1体目はふっとんで岩に激突した。
「ちぃっ」
人間で言えば全身打撲状態に陥って戦闘不能になったレビネーゾ2体を見て、赤いレビネーゾは攻撃を中断する。
「こういうことはしたくなかったのだが…」
赤いレビネーゾのパイロットはつぶやくと、少し離れた岩場に機体を移した。
「パウ!! この子供は貴様の息子か?」
その岩場の陰には、アウが隠れていたのだった。
「しまった。見られていたか」
パウはうめいた。
「ロボットから降りて、こちらに来てもらおうか」

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