Def Leppard Live in Birmingham (Nov 15,1996)
PART 1
電車の駅からNECアリーナまでは、長い連絡通路がずっと続いていて、壁にはアリーナで公演予定のミュージシャンのポスターが貼ってある。シェフィールドではとうとうお目にかかれなかったDEF LEPPARD のツアーポスターを、ここでようやく見ることができた。
「SLANG」 アルバムのジャケットの仏像にメンバー写真をかぶせたセピア色のもの。なかなかシックですてき。
交互に貼られているのはKISSと、MICHAEL BALLという男性歌手。MICHAEL BALLって聞いたことがないのだけれど、NECアリーナで単独公演するくらいだから、こっちではかなりのビッグネームなんだろうか? ひょっとしてコメディアン系?
ほかに今後の予定として挙げられていたのはGLORIA ESTEFAN、TOM JONES、BOYZONE、TINA TURNER、THE CURE、 STATUS QUO、EAST 17、THE BEAUTIFULSOUTH、JAMIROQUAI といったところ。いちばん入場料が高かったのがGLORIA ESTEFANだったかな。次がDEF LEPPARD。
道に迷いながらもどうやらNECアリーナにたどり着いた。BOXオフィスの前にはすでに革ジャンできめた若者たちが10人くらいたむろしている。5時前だったがBOXオフィスに人影があったので入ってみると、すでに電話予約をしたチケットの引き換えが始まっていた。
会場内に通じるドアの向こうからサウンドチェックの音が漏れてくる。それが、な、な、なんと"TURN TO DUST"ではないか! ひょっとしてきょうのライブでやるのかしら。歌もしっかり入っているが、ジョーはサウンドチェックでは歌わないという話だし、あれはフィルかしら、ヴィヴかしら?
ずっと聞いていたかったけど、朝ごはん以来ギネス以外口にしていなかった私たちを、空腹感が急速に襲ってきた。ライブの前に何か食べて体力つけなくちゃ。
が、会場付近には店らしいものは何もない。BOXオフィスの並びにカフェテリアみたいなところがあって、中で軽食らしきものを食べてる人が見えた。入っていこうとすると、いきなり入口に座っていたおじさんに止められる。
チケットを見せろというので見せると、今度はそれを「どうにかこうにかしなくてはいけない」と言う。ところがその「どうにかこうにか」がなんなのか、訛りがきつくて一言も聞き取れない。私たちの後から地元のカップルが入ってきたが、その人たちも同じことを言われて出ていってしまった。これはひょっとしたら、スタッフとか会場関係者しか入れない場所だったのかもしれないね、とあきらめて外に出た。
反対側にもうひとつパブみたいな所があったので入ってみた。またまた入口にいた女性に止められたが、今度は相手が言ってることがよーくわかった。要するにここは劇場につながっている店なので、チケットを持っている人しか入れなくて、入るためにはチケットを切ってしまうから、もう外には出られず、開場までここで待つしかないってこと。それとカメラチェックを受けなくてはならないということ。なんだ、さっきのおじさんもそういうことを言ってたのね。
カメラチェックを受け、チケットの半券を切ってもらって、さあ食べながらビールでも、と思ってカウンターに行き、「何か食べるものはありませんか?」と聞くと、カウンターのおばさんは無愛想に「NO!」とひとこと答えた。
ううう、ここはパブだからお酒しかないのね。仕方がないのでビターを頼み、さっきのおじさんを恨みながら空腹に耐える私たちなのであった。開場までの1時間、ほんとにほんとにひもじかった。