Def Leppard Live in Sheffield (Nov 14,1996)
PART 8
熱く盛り上がった会場を少しクールダウンするためか、スツールが運ばれてきた。アコースティック・セットはこっちでもあるのね。日本公演と同じく、わざとOASISの"LIVE FOREVER" を歌うジョー。日本では知ってる人が少なくて、これという反応がなかったのだけれど、さすがイギリス。一緒に歌い出す人、ブーイングする人、それぞれに反応が大きくて面白い。結局2小節ほど歌っただけでやめ、「失礼! 大丈夫だよ」とフォローするジョー。
メンバーがそろったところで「みんな一緒に歌ってくれ」と言って始まったのは"TWO STEPS BEHIND"。いやもう、ほんとに歌った歌った。この手の曲になると英語圏のファンは強いよねえ。それほどがんばらなくても覚えられるんだもの。でも、私たちだって負けちゃいなかった。ちゃんと全部一緒に歌ったもんね。
日本とちがってアコースティック・タイムはこれ1曲で終わり。あっさりとスツールはかたづけられ、再び元のポジションにメンバーが戻る。ジョーが次の曲の紹介をしようとしているのに、一緒に大合唱した興奮がおさまらずにピューピューキャーキャー叫ぶファン。ふざけて「シーッ!」と指を唇に当ててふざけるジョー。日本だったらそこでほんとにシーンとしちゃうでしょ? でも、こっちのファンは一筋縄ではいかない。よけいにキャーッと叫び返してるんだから。
「次の曲は『SLANG』 アルバムから次にシングルとして出される曲だ」
きゃ〜っ!今度は私が叫ぶ番だ。日本公演では聴けなくて、ほんとにほんとに聴きたかった曲だったから、こっちで21日にシングルが発売されると聴いて、「それならライブできっと」と期待はしていた。でも、それが現実になるかどうか、半信半疑でいたのだもの。
この曲でのフィルのコーラスはもうものすごく素敵。元々彼が書いた曲だから、思いがこもってしまうのはもちろんだけど、彼のハスキーボイスって、こういう曲調にぴったりなのよね。
感動しまくってる客席にジョーが掛け声を促す。
「いぇ〜お!」 いぇ〜お!
なかなか満足しないジョーにどこまでも応えようとする観客。どこの国でもファンってけなげよねえ。
「れでぃ? あ〜ゆ〜れでぃ?!」
きゃあ! とうとう始まってしまった"PHOTOGRAPH"。怒涛のヒットパレードの始まりだ。そして、日本公演で私に「これでもういつ死んでもいい」と言わせた思い出の曲。会場じゅうの人が歌っているというのに、さらに「すぃんぎん!」と煽るジョー。
「あいうぉなたっちゅ〜!」のところでは両手を大きく開いてさしのべ、1万2千人をその腕に抱きしめようとでもしているかのようなポーズを見せてくれた。思わず一緒になって腕を広げ、ジョーを抱きしめ返そうとする私。
「いぇ〜〜お!」 いぇ〜〜お!
「いぇ〜〜〜お!」 いぇ〜〜〜お!
「いぇ〜〜〜〜〜〜お!」 いぇ〜〜〜〜〜〜お!