Def Leppard Live in Sheffield (Nov 14,1996)
PART 2
TERRORVISIONが終わると、トイレに行く人、新しいビールを買いに行く人たちがいっせいに席を立つ。こっちの人たちってほんとうによく飲むなあ。私たちもせっかくイギリスで見ているんだし、アルコール持込可の会場なんだから、ビールを飲みながらライブを見たかったけど、もしも途中でトイレに行きたくなったら大変。それより何より、これから彼らの会えるという緊張感でとてもじゃないけど、ビールですら喉を通らないような状態だったのだ。
それにしても回りを見回すとLEPPS Tシャツの多さにびっくりする。日本でのライブでは、演奏するバンドのTシャツ以外に同系列のバンドのいろんなTシャツが見られるものだけれど、このシェフィールド・アリーナにはLEPPS 以外のバンドのTシャツを着てる人って、さっきレストランで見かけたWASPの人だけなんじゃないかと思えるくらい、ほかのTシャツを見ない。ひょっとしたらシェフィールド市民全員がひとり1枚LEPPS Tシャツを持ってるのではないか、なんて気がしてきた。
でも、子供連れだけでなくて、50代くらいのおじさんたちがグループで来ていたりするのは、ひょっとしたら連中が昔働いてた工場の先輩とか、近所に住んでたおじさんたちだったりするのかもしれないなあ。
30代なかばくらいの、ちょっと生活の疲れを見せた女性たちは、メンバーと学校が一緒だったりしたのかもしれない。自分たちは高校を卒業して就職して結婚して家庭にひっこんじゃって平凡な主婦になっているけれど、昔の友達が世界的に有名なロックスターになっていることが誇らしくて、アルバムが出れば必ず買うし、公演があればなにをおいても出かけるんじゃないだろうか。
なーんて、勝手な想像をどんどんたくましくしているうちに、GUNS N' ROSES の"COMA"が流れてきた。もうすぐ始まると思うと胸が苦しくなり、急に無口になる私たち。
スタンディング・スペースとは対象的に、私たちが座っているあたりは年齢層が高い。それも日本で見るロックコンサートでの比率とは比べようもないくらい高い。なにしろティーンエージャーの子供を連れてきてるパパ、ママがとっても多いのだ。まあ、メンバーの年を考えると、若くして結婚して子供でもできていれば、今頃はあのくらいの子供がいたっておかしくないのよねえ。