Def Leppard Live in Sheffield (Nov 14,1996)
PART 10
アンコール本来の姿である、止まらない拍手に迎えられて再登場したメンバーは客席に手を振り、位置についた。サヴは水色と白の絞り染めみたいな半袖Tシャツに着替えている。なんかダサイ。でも、あれってあとからMERCURY ROCK FAXを読んだら、サヴがご贔屓のサッカーチーム、シェフィールド・ウェンズデイのものだったのね。
アンコール1曲目は日本公演と同じ"LOVE BITES"。
この曲、本来はバラードのはずだけど、なにしろ客席がいっせいに歌い始めるものだから、すっかり合唱ソングになってしまい、あんまりロマンチックという感じはしない。ヒットした曲ってそういうものよね。ジョーもそんな展開をむしろ喜んでるふうで、とても元気に歌ってくれる。
最後の呟き部分は、日本ではジョーがステージ袖に隠れて、声だけ聞こえてくるという演出だったけど、今回はギターソロの部分もジョーはちゃんとステージにいて、暗いところで待機、キメの部分ですすっと前に出てくると、マイクをふりしぼるようにして「ら・ぶ・ばいつっ」と締めた。
ドラマチックな歌で少し動きが鈍くなった私たちの脳天を直撃するかのように、ジョーがマイクを両手の中ににぎりしめるようにして「どぅゆ〜うぉなげっろ〜〜っく?!」と問いかける。すかさず客席から「れっつげっ!れっつげっ!れっつげっ!」と掛け声が上がる。
ジョーがマイクを掴んだまま体をひねり「ろ〜〜〜〜っく!」と叫ぶのと同時に、ステージのうしろ上方から大きなユニオンジャック旗がば〜っ!と落ちてきた。湧きに湧く観客。あ〜んこんな演出、日本じゃ当然やらなかったよねぇ。
ずるいよイギリスのファンは。こんな特別扱いしてもらえるんだもの。でも、仕方がないか。DEF LEPPARD はイギリスの、そしてここシェフィールドのバンドで、そのことを何よりも大事に思ってる連中なんだもの。そんな彼らの思いをこめたステージを見ることができてほんとによかった。来てよかった。
感動の嵐に巻きこまれてウルウルしているうちに曲は進み、例の雄叫び部分にさしかかっている。日本でもみんなここはしっかり叫べるように練習してたけど、ここシェフィールドでの声の大きさは日本の比じゃない。1万2千人が全員、老いも若きもいっせいに叫んだ「れっつげっでぃあうとぶひや!」う〜気持ちい〜い!
しかし、この曲でも客は歌う歌う。早口で語るような部分も掛け合いみたいにして叫ぶ部分も、ひとことたりとも手を抜かない。全員がDEF LEPPARD のヴォーカリストになったみたいだ。ジョーはもう大喜びで、「しぇふぃーるど!」と叫んでいる。