Def Leppard Live in Japan (June 18-22,1996)
PART 2
ヴィヴがなつかしいメロディを弾き始める。ジョーが歌い始める。そしてリックのドラムが静かに加わり、徐々に盛り上がっていくこの高揚感。"FOOLIN'"。 もちろんサビのところは大合唱。きょうのフィルのソロは決まりまくりで最高。最後のドドッドドッという感じのキメのところでは、サヴがベースを拳で叩く真似をするんだけど、これがまたすごくかっこいい!
暑くなってきたのか、タオルで顔をふき、シャツの袖を腕まくりするジョー。今回彼はどの日も長袖のシャツを着ていて、しかもフィルやヴィヴと違って、最後まで脱が(げ)なかったので、かなり暑かっただろうと思う。でも、どんなスタイルが自分をかっこよく見せるか知っていて、そのためには多少の暑さも我慢してファンの夢を完成させててくれようとしている姿に、プロの姿を見た思いがする。
「どうもありがとう(日本語)。次の曲はみんな一緒に歌って楽しんでくれるといいな、って思ってるんだ。一緒に歌ってくれるかい?」は〜い(^^)/゙「HYSTERIAアルバムからの曲だ」
ピョンピョン跳ね始めるジョー。うわあ"ANIMAL"だあ。手拍子が始まる。バックドロップに「SLANG」 のアルバムジャケットのような不思議な赤い模様が描き出される。サビに入る前にジョーが「歌って!」と掛け声をかける。もしろん、そんなふうに言われなくたってこっちは歌う気充分だ。だって、私の回りではサビ以外の部分だって歌ってるんだもの。例の2拍の手拍子もバッチリ。間奏では今度はフィルが床に膝をついて弾きまくる。ドラム台を駆け上がり、駆け降りていくヴィヴ。バリライトが最後のブレイクでパッと消え、次の瞬間またついて最後のフレーズを演奏するタイミングは最高に気持ちよく決まってた。
「どうもありがとう。もう1曲PYROMANIA からの曲をやろう。これはきのうは演奏しなかった曲なんだ。特別にきょうの君たちのためにやるぜ! BILLY'S GOT A GUN!」
きゃあああああぁ。まさかこの曲がライブで聴けるとは思ってなかった。ジョーはやっぱりボケてなんかいなかったわ。バックドロップには黄色いサイケデリックな模様が描き出され、曲の雰囲気をいやがうえにも高めてくれるよう。ひさしぶりにやる曲だけあって、出来はいまいちくらいだったけど、私としては生で聴けただけでもう何も言うことはなかった。途中フィルがギターの音で気になることでもあったのか、しきりと袖のほうを見ていたのだが、それを見たジョーが歌の合間に袖に引っ込んでいった。多分フィルの代わりに指示を出しにいったん じゃないかな。さすがリーダー。最後の部分、前に出した腕をグッと胸元に引きつけるようにするキメのポーズがめちゃくちゃかっこいい。
(補)18日はここで"HAVE YOU EVER NEEDED SOMEONE SO BAD" をやって、私は完璧にノックアウトされた。ジョーの声はあまり出ていなかったんだけど、歌詞を思い出しながら彼のステージパフォーマンスを見ているだけで、胸が苦しくなってくる。マイクスタンドに向かって、ほんの少しだけ右のほうに顔を向け、左手を前に訴えるようにさし出しながら悩ましい目でFブロック3列目あたりを見たときなんて、嫉妬で燃え上がりそうになりました。最後は、両手の指と指をギュッと握りしめて頭上に突き上げ、祈るような姿勢でエンディング。ああ、すてきぃ。
(補)21日には、"ALL I WANT IS EVERYTHING"をやった。「ほかではやったことがないので特別だよ」と言ってたから、多分、今回のツアーでは初めてのお披露目だったのかも。「SLANG」からの曲が少ないなあ、と少し寂しい気持ちでいたので、大感激。この曲、ジョーの声にぴったりでほんとうにすてき。なつかしい曲が続いたところで、"DELIVER ME"が始まった。武道館の1階席では「SLANG」 からの曲が始まると座っちゃう人がけっこういたな。特にこの曲はジョーの低音を生かした静かめな曲だから、どういうふうにノレばいいのか戸惑っていた人が多かったように思う。でも、アルバムで聴いたときよりも、ライブで聴くと数倍アグレッシブな感じがすると私なんかは思ったのだけれど。コーラスをフィルだけがつけていたのも意外な発見だった。曲間に長い腕を振り回して踊る(?)ジョーは、ちょっとOASIS のリアムを思わせる。ジョーって決してハンサムではないんだけど、ステージに立ってると最高にいい男に見えるのよね。その理由のひとつはあの長い腕ではないかと思うんだ。本人もそれをよく知ってるから、暑いのを我慢して長袖(しかも手の甲の半分くらいまで隠れるほどの)を着てるんだと思う。ひとつひとつの動きが実によく計算れていて、嫌いな人から見れば、「なんてかっこつけてるんだ」と思えるかもしれない。でも、それでキマるのはやっぱり持って生まれた魅力ってもんよね。ここでジョーが「俺の日本語はひどいんだ。知ってるのはサケ、すし、てんぷら、それにサッポロ。サッポロビールはヴィヴの大好物で、日本の工場から取り寄せてるくらいなんだぜ」ほんとか?
(補) 22日には「俺の日本語もかなりうまくなったんだ」ヴァージョンに変わっていたけど、ちょっと遅いんじゃない、ジョー?