「PYROMANIA 」アルバムからの曲だよ、というジョーのＭＣにすぐつなげて物哀しいギターの音が始まる。 "FOOLIN'"。この日２度目の涙。どのビデオクリップで見たのか忘れたけれど、確かスティーブがこの曲でもダブルネックを弾いてたの を思い出して、フィルも弾いてくれないかなあなんて思ってしまう未練がましい私。そういえば、どの曲だったか忘れちゃったけど、この日フィルはレスポールを弾いていた。スティーブみたいな黒や白のじゃなくて、茶色いふつうのだったけど、なんだか思い出（たって私は彼と知り合いだったわけでもないし、彼のステージだって１回しか見ていないんだけど）が胸に迫って苦しくなってしまった。

スティーブがいたら、ということはできるだけ考えないようにしてたんだけど、どうしてもキメの部分に来ると「あ、スティーブはここでこうしてた」って頭に浮かんでしまう。

「BRINGIN' ON THE HEARTBREAK」をやらないだろうというのは、メンバーの気持ちを考えたら当然の決断だろうと予測していた。多分、もう少したって、多分ヴィヴが次のアルバムに参加したときに、きっとまたセットリストに復活するだろう。

「AND I WANT！AND I NEED！」というジョーの掛け声で始まった"ANIMAL"はまたもや客のコーラスの嵐。間の「ﾝちゃちゃﾝちゃちゃ」という手拍子も、ジョーに促されなくたってみんなもうその気でいる。この曲はけっこうあっさりめに終わってしまい、次はお待ちかね（？）ヴィヴのソロだ。

てっきり速弾き系になるのかと思ってたけど、ちょっと違ってた。もちろんピロピロと速く弾くシーンはあったけど、なんというかもっと胸にしみるような音。思ったんだけど、フィルがけっこう明るくドライな性格で、ヴィヴのほうがウェットなのかもしれない。そういう点ではスティーブとフィルのバランスに近いものがあるのかも。

で、ヴィヴのソロも最後に長く伸ばした部分にドラムが入って次の"GODS OF WAR" へとつながった。このあたりからジョーの声がかなり苦しそうになってきた。ほとんどうなるだけというパートもある。でも、その分他のメンバーがコーラスで思いきり声を張り上げていて、それを気づかせないようにカヴァーしてる。

特にサヴのコーラスがきれい。かなり高い声を無理なく出している。時々「あれ？　これはジョーのパートでは？」と思うところもサヴが歌ってたりする。彼ってルックスもよいのだけれど、楽しそうににこにこしながら動いているのが何とも言えずラブリーよね。ヘッドセットが彼ほど似合う人っていないと思う。あと今回はじめて見た気がする、目玉の模様がついた５弦ベースがすごくいい音を出してたのにはびっくり。

ロケットが発射するときのような音をギターが出していたかと思うと、ズンチャズンチャというドラムが入り、"ROCKET"が始まった。隣のお兄ちゃんたちは"ROCKET BABY COM'ON！"のところまで一緒に歌ってる。

ちょっとオリエンタルな感じのギター・ソロが入り、その後でジョーがギターに合わせるようにハミングしていたかと思うといきなり歌い出したのは、なんと"WHOLE LOTTA LOVE"！ 声出すのつらそうだったのに、こういうときは張り切っちゃうのね。