Bon Jovi Final Live In Japan (May 18-20,1996)
PART 2
おおいに盛り上がったところでアコースティックタイムの始まり。これはメンバーがステージより1段低いところに座ってしまうので、後ろの席だとつらいものがあるんだけど、きょうは幸いなことに遅れてきた前の席の女性ふたりが、なぜかずっと座ったままだったので、視界良好。しっかり見えた。
しかし、ジョンもリッチーもきょうはすごくリラックスしてるみたい。きのうはTV中継ということでやはり緊張していたのかなあ。セットリストもガチガチって感じだったし、放送時間枠のこともあってか、演奏時間も短かったし。←とはいっても2時間半はやってるんだけど
いま思いついたんだけど、土曜日のライブって日曜のためのリハーサルも兼ねてたのかもねえ。セットリストほとんど一緒だったし、衣装もほとんど同じだったし。
客席から「リッチー!」という黄色い声がかかると、リッチーがふざけて同じような裏声で「りっちー!」と叫び返す。客が喜んできゃあきゃあ言うと、もう1回「りっち〜!」。
ジョンなんてすっかり喜んじゃって大笑い。「リッチーのために歌ってくれよな」なんて言って"WANTED DEAD OR ALIVE"が始まった。最初の部分で客に歌わせる"DEAD OR ALIVE" の部分も、きょうは大きな声が返っていったので満足そうなジョン。
途中でリッチーがソロで歌い出して、またジョンへと代わるところは何回聴いてもかっこいい。最後にジョンがリッチーの顔をのぞきこむようにしてギターを合わせ、一緒に終わらせるシーンでは、一時期気まずい状態になったこともあるふたりのことを思い出して、「ああ、今こうしてふたりが一緒にいられて本当によかった」 って、なんともいえない気持ちになってしまう。
ほとんど間をおかずに、ジョンの「ワン、トゥ、スリー、フォー」と小さな掛け声でピタッと始まったのは"I'D DIE FOR YOU"のアコースティック・ヴァージョン。最初の日には「これは昔の曲のヴァージョンを替えてみたんだ」というMCが入っていた。
日曜には、ジョンがいきなり思い出話モードになってしまい、「10年前に日本に来たときには、俺たちはレインボーホールとかいった小さなホール(おいおい) でしか演奏できなくて、このスタジアムにはマイケル・ジャクソンを見にきたんだぜ」なんてことを語ってたっけ。それが武道館、東京ドームときて、いまスタジアムでやってるんだから、ほんとに大きくなったんだなあ。
この曲、好きなんだけど、イントロのところが"RUNAWAY" に似てて、ライブでやるといつも間違えそうになってまぎらわしいと思ってたから、このヴァージョンは大歓迎。←そんなこと思ってたのは私だけかな(^_^;)ゞ?
途中でジョンが囁くように"I'D DIE FOR YOU" と歌うところなんて、ぞくぞくするほど悩ましくていいよねえ。
そして間をあけずにつながっていく"IN THESE ARMS" 。ティコの叩くパーカッションのせいか、不思議に南国の香りのする仕上がりになっていて、聴いていると夜なのにキューバの青い海を思い出してしまうので、これまた好きなヴァージョン。もちろんオリジナルも聴きたいんだけど、今回は"THESE DAYS"があるから、この手の曲は、こんなふうに趣向を替えてもらってもいいか、と思う。いい曲をいっぱい持ってるバンドって強いよね。デビッドのキーボードがいい感じで入ってきて、客席からも大きな歌声が聞こえている。ああ、たまらないなあ、この一体感。
ジョンの"LET'S ROCK N' ROLL BOYS" という声でみんなが立ち上がり、上のステージへと戻っていく。ベースの音が響き、スクリーンにキャップをかぶったスケボー少年が映る。
"SOMETHING FOR THE PAIN"でも「かもん、かもん、かもん」のところでみんなきちんと叫んでジョンを喜ばせてしまった。途中のコーラスの部分がすごく複雑にできてるのに、きょう気がついてびっくり。ヒューもけっこうコーラスつけてるのよね。リッチーが忙しいときはちゃんとデビッドやヒューが歌ってて、メンバー全員が歌えるバンドって強いよね、って思ってしまう。
"SOMEDAY I'LL BE SATURDAY NIGHT"はすごくライブ映えする曲だと思う。自然に体が気持ちよく動いて気分が高揚していって、"HEY HEY HEY HEY" のところで一気に爆発できる感じ。途中でジョンが詩を朗読するような歌い方になって、それに聞き入っていると最後のところで"DO YOU WANNA COME WITH ME?"と問いかけるものだから、会場からは悲鳴のような歓声が。もちろん私も声をふりしぼって「いえ〜す!」と答えたけれど、男の声も聞こえたのはなぜ。