落 下 月
ぽとん、と音を立てて私のベットの上に月が落ちてきた
ころころ転がっていく、月
今日は満月なのね、本当に真ん丸
シーツの波をかき分け、ベットのいたるところ、転がりまわる
くすぐったい、私の体の周りをころころと元気に転がる丸い月
疲れてしまったのね。今はもう静かな寝息を立てている
この幸せが少しでも長く続きますように、と月に願って
なんだか私も少し眠くなってきた
(おやすみなさい)
春 色
淡い風
春のRONDE響く
午後の日溜まり
うめももさくらもものいろ
女の子なんだからって碇君が
これから桃の枝もって
カーテンと窓を開け放った私の部屋に
少し舞い上がりそうな胸押さえ
ちょっと小さく深呼吸
もものももいろはるのいろ
そっと染めてる
春の頬
水 色
誰にも気づかれないように
密かに
ほんの少しずつ
僕は
もしかしたら好きだったかもしれない
君が
好きだった水色に
世界を少しずつ染めてゆく
いつの間にかにすっかり水色に染まってしまった
世界
どこにも君がいない世界の中で
独り
僕を必要としていないかもしれない
この世界
今も
そしてこれからも
ずっと
君
のこと
考え
続
け
て
る
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