休日の早朝、普段はけして起きる事の無い時間に目覚まし時計が鳴り響く。

目の焦点もままならない状態で手探りで騒音の原因を捕まえて、黙らせる。

すかさず、家族に気配を悟られないように抜き足忍び足で玄関の外へでる。

手には年季の入った道具や着替えが詰まったバック、そしてＶＷのＫｅｙ。

外はまだ薄暗く、うっすらと青白く見え、空気の匂いを濃密に感じる瞬間。

かすかに鳥の声と新聞配達と思われるバイクの排気音が聞こえてくる。

道具を無造作に車のリアシートとトランクに押し込み、運転席へ滑り込む。

Ｋｅｙを右にひねり、重くかつ力強いセルの音が車内に反響する。

まもなく必要以上にうるさいエンジン音が半径５０Ｍ以内にこだまする。

「さぁ、目的地までは１時間後だ。」気合とギヤを入れ、車が動き出す。

吉とでるか凶とでるかは普段の行いの成果であり、報いでもある。

期待に胸を膨らませて、右足に普段以上に力が入っているのが解る。

週末に繰り返すカーティスクリークまでのつかの間のクルージング････。

不思議とこういう朝も意外に楽しかったりする････のかなぁ。