きくししとう Listening


〜最近聴いたCD(の一部)〜

*「FEED ME WEIRD THINGS」(SQUAREPUSHER/REPHLEX)
*「WIPEOUT 2097:THE SOUNDTRACK」(THE FUTURE SOUND OF LONDON、THE CHEMICAL BROTHERS、UNDERWORLD、PRODIGY、DAFT PUNK etc../Virgin)
*「PEACEFROG COMPILATION VOL.1」(LUKE SLATER、DAN CURTIN、NEIL LANDSTRUMM etc../Sublime Records)
*「ODELAY」(BECK/MCA VICTOR)
*「ロングシーズン」(フィッシュマンズ/ポリドール)



「FEED ME WEIRD THINGS」(SQUAREPUSHER/REPHLEX)
 しゃれのきいたリズム、ロマンチックなメロディ。1曲目の「SQUAREPUSHER THEME」から、ぐうっと引き込まれてしまいました。ドラムンベースってこんなことになっていたんですね。素敵です。

*「WIPEOUT 2097:THE SOUNDTRACK」(THE FUTURE SOUND OF LONDON、THE CHEMICAL BROTHERS、UNDERWORLD、PRODIGY、DAFT PUNK etc../Virgin)
 プレイステーションの洋ゲー「WIPEOUT」のサントラですが、参加している面子をみてもお分かりのように、ほとんど、テクノのコンピです。制限速度無しの酔っぱらい運転びゅんびゅん、という疾走感あふれる曲集でした。私はプレステ持ってないし、ゲームを滅多にしないのですが、この「WIPEOUT」と「パラッパラッパー」「デプス」のために、プレステが欲しくなりました。

*「PEACEFROG COMPILATION VOL.1」(LUKE SLATER、DAN CURTIN、NEIL LANDSTRUMM etc../Sublime Records)
 UKのテクノ・ダンス・レーベル、PEACEFROGのコンピ。初期傑作集というコンテンツになっているそうです。そんな、うんちく抜きにしても、ファンキーでミニマルな音造りは面白く、テクノにあらゆる可能性を模索しているようなみずみずしい雰囲気が感じられます。

*「ODELAY」(BECK/MCA VICTOR)
 「ああ〜、今日もうまくいかなかったなあ。八方ふさがりだなあ。でも、まあ、いいかあ」というような、たるい感じと、ぴろぴろ、びきびきと鳴り響く音がいいです。

*「ロングシーズン」(フィッシュマンズ/ポリドール)
 現実は息苦しいことが多いから、ふと気付くと、居心地のいい場所と空気を探して、さまよっていたりします。無理に何者かにならなくてもいい、何もしなくてもいい、ただ、自分がそこに存在するだけでいい場所。
 本当に好きな人と寄り添っているとき、ここはその居心地のいい場所かもしれない、と思うこともあります。でも、その本当に好きな人も所詮は別の人格を備えた個人で、要するに他人であり、自分の価値観に歩み寄ってはくれても、同化してくれるわけではありません。だって、自分だって、その人にとっては、所詮は他人であり、相手に歩み寄りこそできても、全てと同化するなんてできないし、しようとも思っていないのだから。それを納得づくで寄り添っているのですが、それも、いつ、どういう形で壊れていくかは分かりません。
 居心地のいい場所や空気なんて、どこにもないのだから地面に降りなさいという現実と、いや、どこかにあるはずだという夢との間を漂っているときが、一番、その居心地のいい場所と空気に近いのかもしれません。
 フィッシュマンズの曲の醸し出す浮遊観は、切なく、心地よく、冷酷です。それが、しんしんと心に沁みいってくるのは、現実と夢の間を漂いながら生きているのが好きだからかもしれません。


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