徒然草 2    
99年5月5日平吉穀州先生一周忌コンサート
作曲家 平吉穀州(ひらよしたけくに)氏の一周忌の合唱コンサートに行って来ました。

一昨年、僕がミュージカル(学校ネズミのコンサート〜音楽之友社刊)した島根音楽祭で、その2年前にやはりミュージカルを作曲していた作曲家で、合唱曲やオケ、室内楽など多くの作品が有るクラシック系の大御所の先生でした。長年桐朋音大の教授の地位に有り、「気球に乗ってどこまでも」の作 曲者と言えば、わかる方も多いと思います。

生前にお会いした事は無いのですが、曲はあちらこちらで又、CDでも良く耳にしていました。 特に先生と関係の深かった、コール・フロイントと平松混声合唱団の演奏が素晴しかった!こういう演奏を聴くと、ますます合唱曲を書きたくなってしまいます

ミュージカルは畑違いで、演出や振り付けは少し戸惑いが有った、と聞いてい ますが、若い頃タンゴバンドのピアニスト(!)として稼いで居たことも有ったそうで、ラテン系のリズムの曲は非常に乗りが良く、とても楽しい曲があったのを思い出しました。(ビデオで見ました)

趣味がヨットというのも、容貌も、「えっ?日本のクラシック系の作曲家にこんなに格好良い人が居たの?」と驚く程です。世の中、本当にすごい人がいるもんだ、というお話しでした。

 女性合唱組曲「幸福な葉っぱ」について

99年6月16日18時30分〜神奈川県立音楽堂での「ブリランテ&エチュードジョイントコンサート」で初演される『幸福な葉っぱ』の解説を宣伝を兼ねて載せておきますのでお読み下さい!(お問い合わせ エチュード 国富 0467-45-8507)

この曲は 指揮者 湊 晋吾氏と合唱団エチュード、ブリランテ両団体からの委嘱を受けて98年11月〜12月にかけて作曲しました。

作曲に当たって詩を選ぶ為に、何ヶ所もの書店、図書館を回りましたが、その中から詩人 高橋 順子氏の詩集に強く心引かれるものがあり、合唱団の皆さんの賛同も得て、氏の詩集より5篇を選びました。

高橋 順子氏の世界は、日常的な題材の中に人間の不安、孤独や女性特有の繊細な世界観をにじませる一方、愛情あふれる暖かな目で、大きく対象を包み込む優しさも併せ持ち、スケールの大きさを感じさせます。また、作曲を始めてから氏が直木賞受賞作家 車谷 長吉氏夫人で有る事を知り、驚きました。結婚されたきっかけが、車谷氏が書店で手に取った高橋氏の詩集である事も、とても人ごととは思えませんでした(!?) 

そのような素晴しい詩を得て次のような事を考えながら作曲を進めました。

「時代を表現できて、しかも難解過ぎず、現代の女性の気持ちに沿った曲。できれば 日常の生活の中に留まらずに、気持ちの奥底に有りながら、なかなか意識する機会の無い『精神の裂け目』のようなものにも気付かせてくれるような曲を創りたい」

最近、特に目覚ましいご活躍の湊 晋吾先生による「楽しく、厳しい」ご指導で二つの合唱団の皆さんの力が最大限に発揮される事を楽しみにしています。 

氈@夕焼けは

  叙情性と地球的な広がりの有る流れるような曲。

 木肌がすこしあたたかいとき 

     人への想いを樹木に託して優しく、不思議な響きで歌い上げます。

。 クローバーの原っぱで

  明るく軽快な親しみ易い「ソング」。

「 彼岸花

  「死」をほのかなユーモアと幻想的な風景への想いの中で真摯に表現しています。     

」 幸福な葉っぱ

  「葉っぱ」にいろいろな想いを託し、別離の哀しみとそれに耐えて自己の内面へ の洞察を深めて行く女性の心の動きを激しい音楽に乗せて表現します。

 

姜建華さん(ジァン・ジェンホアさん)の「二胡の四季」シリーズが完結しました。

僕もアレンジで参加していたCD4枚のシリーズが5月発売の”春の香”で1年分揃い、完結しました。 (夏から始まったわけです)

ビクターエンタテイメントの野島さんのプロデュースにより日本のトップレベルの共演者を得て、二胡の魅力が十二分に発揮された、素晴らしいCDになりました。

洋楽からは朝川朋行さん(今回はアレンジではなくハープでの参加です)木村茉莉さん(ハープ)、田中雅弘さん(チェロ)、白石準さん(シンセ!)木津芳夫さん(フルート)等など、邦楽からは吉村七重さん、三橋貴風さんなど、怱々たるメンバーです。

もちろん、ジャンさんの二胡は最近ますますその独特な、日本人の心を揺さぶる 「泣き節」が冴え渡っています。

アレンジは、僕の他に上田亨さん(最近芝居の音楽で大活躍です)、僕の生徒だった中原達彦さん、僕の大学の時の同期の高橋善治さん、(ん?仲間でまとまってる?まぁ、確かに中原、高橋両氏は僕がお願いしてやって貰いましたが)

上田さんは以前から芝居の作曲家として、何度も曲を耳にし、お名前も拝見していましたが、仕事をご一緒したのも、お会いしたのもこの仕事が初めてでした。

ヒゲの似合う、現場での決断力が印象的な、僕より少し先輩の「行動する作曲家」という感じでした。

ジャンさんのお宅に練習の為にお邪魔した時頂いた、最高級(!)ウーロン茶がとろりと甘く、びっくりしました。やたらに感心していたので、少しおすそわけして頂けたのですが(ほとんど強制ですね、これは)もったいなくてたまにしか飲んでません。。

どうも、こういう方に話しが行ってしまいますね。すんません。また、時間が有る時に録音のエピソードなどを書きます

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