<川崎絵都夫> による作品ライナーノート1 チンギス・ハーン 蒼き狼の夢
第1楽章 夜明け〜希望
チンギス・ハーンの誕生、父親を亡くしてからの凄惨な日々、大モンゴル帝国の夜明けと発展を大きな流れのメロディーや、リズミカルな合奏で表しています。
第2楽章 安らぎ〜鎮魂
国のため、民族のためとは言いながらも延々と続く戦いの日々の中の、束の間の休息。そして逝ける仲間達への鎮魂の思いを静かに、時に激しく奏でます。
第3楽章 戦い〜そして明日へ
戦いを告げる管楽器の咆哮。その最中にふと心をよぎる、亡くなった仲間や肉親への思い。再び決意を新たに、わが民族の永遠なることを信じて戦いを続けるチンギス・ハーンの姿を勇壮な太鼓群を主役に表現します。
委嘱:邦楽合奏団「真珠(あらたま)」
演奏:邦楽合奏団 織座
録音メンバー一覧(CDにはスペースの都合でお載せ出来無かったので、こちらに掲載させて頂きます。本当にありがとうございました!)
邦楽合奏団 織座
指揮 稲田康
箏1 天満三奈子、小川圭子、郷原恍子、佐々木秀子
箏2 島津啓子、小林智子、尾柳泉
十七絃 土屋浩子、手嶋知子
三味線 高橋千栄子、梶原良子
琵琶 咲川可央子
笛 松尾慧、山田章弘
尺八1 土屋雅章、内山和彦
尺八2 島津和人、長谷川光治
尺八3 小野木雅紀、斉藤忠良
打楽器 伊藤憲夫、伊藤翼 以上
2 琶絃協奏(わげんきょうそう)
曲は三章からなる組曲で「箏の持つ叙情性と薩摩琵琶の激しさの協奏」というコンセプトで作られています。
第一楽章
葬送を想わせる箏の同音反復から始まり、内面へ沈潜して行く自由な構成の楽章。最後近くに、わずかに救いの光が現れます。
第二楽章
或る種の悟りの境地で口ずさむ「うた」。淡々と、時には激しく奏でる旋律。
第三楽章
様々な想いを抱きながら、飛翔する心。躍動感の中に、情熱を秘めて駆けめぐる想い。
委嘱:福田美帆/荒井靖水 両氏
演奏:二十五絃箏 福田美帆 琵琶 荒井靖水
3 三曲合奏の為の螢(ほたる)
この曲は主に尺八の奏する“うた”を中心に、三絃と箏がそれに絡んだり、伴奏したり、対抗しながら進んでいきます。儚気に飛び交う「螢」の姿のように、盛り上がったあとすぐにまた、静かに収まっていきます。
委嘱:新典音楽協会(「前奏曲」を改題)
演奏:箏 桜井智永 三絃 大田幸子 尺八 田辺洌山
4 二本の尺八の為の風籟(ふうらい)
題名の“風籟”には「風の響き」「風のこえ」とか、「風によって起こる悲しみを帯びた声や音」といったような意味があります。
ある別々の方向から、たち現れた風が互いに絡み合い、共鳴し合い、又反発し、対抗しながら奏でる“うた”とでもいうような発想によって書かれた曲で、2本の尺八によって表現される
“風のうた”をじっくり聴いて頂ければ幸いです。
委嘱:新典音楽協会
演奏:尺八 難波竹山、田辺洌山
5 青葉之賦(あおばのふ)
氈@城壁
長い年月、そこにどっしりとその雄姿をたたえる青葉城。戦いとそれにまつわる喜び、悲しみをじっと見て来た歴史を感じます。
いのちの森
青葉山にはまた、東北大学キャンパスや付属植物園、市民の森などが有り、ウサギ、リス、雉が見られ、山頂を霧が覆うと幻想的な雰囲気に包まれます。
。 祭り
いのちを育む森の収穫や、人々が生を謳歌する様子を表わす楽章です。
委嘱:東北大学学友会邦楽部 有志
裴栄造/熊本圭吾/茂木絵麻/吉田香世子
演奏:箏 桜井智永 三絃 大田幸子
尺八 難波竹山、田辺洌山