2000年6月4日に三重県総合文化センター中ホール
邦楽合奏団「真珠(あらたま)」
10周年記念コンサートで演奏される邦楽オペラ
「隅田川」
についての覚え書きを転載します。
邦楽オペラ「隅田川」の特色
1 400年前から能の世界で演じ続けられている題材を元に全く新しく作曲
した。
2 邦楽器群(篠笛、能管、尺八3、三絃、琵琶、琴3パート、十七絃2パート、
和太鼓2パート)、テノールソロ、ソプラノソロ、子役、混声合唱30人、
地元の伊勢御師太鼓7人、総計60人近い大編成によること。
3 上演に1時間近くかかる大曲であること。
4 演劇用の中ホールを使用し、スモーク、せり上がり、盆を活用した、
「演奏会形式のオペラ上演」のような形をとること。
5 古典的な感覚を生かしながらも、近代風和声、半音階進行や、楽音では
無い音も多用した現代的な音作りをしている点。
6 現代でも多発している様々な事件の予告でも有るかのような題材を用いて
いること。そしてそのことを通して精神的な「親離れ」「子離れ」に伴う
喪失感や、広く世の中に広がる虚脱感まで、様々な「別れ」に伴う心の痛み
への共感を熱く表現していること。
7 そして上演に当たって全員参加による総リハーサルを2ヵ月前より2回行い、
本番前日、当日のゲネプロまで計4回にわたる合同練習も、これだけの規模
のアマチュアのコンサートとしては大変な労力をかけたものです。