「篠原ともえライブハウスツアー’97−’98 ”しのコーン”」 ライブレポート

1997年12月21日(日) 18:00

於:「日清パワーステーション B2」

 素晴らしい! ツアーの最初を飾るにふさわしい内容でした。

 不確かな記憶を頼りに書いたので、曲順等の間違いはご容赦ください。

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 紺のユニフォームに身を包んだ、ベース、キーボード、ドラム、ギターの4人のメンバー。しのランドPUNKの、混沌とした衣装と際立って(意識して?)対照的に、統一感のある衣装です。ちょっと、一時期のビートルズを思わせます。もちろんこのメンバーの衣装にも、ともえちゃんの意見・考えが、盛り込まれているはず。

 続いて、ともえちゃん登場! 白のセーラーをベースに、青と赤を小気味よく使った、キュートな感じです。青の大きな襟に,小さな天使の羽がアップリケで付いているのが、印象的です。この羽は、バンドメンバーの背中にも付いていますね。

 活発な中にも、清楚な感じといったらよいでしょうか。髪型は、やはり頭の上で二つにまとめていますが、お団子ではなくて大きくふわっとふくらませています。『ココロノウサギ』では、定番の髪型ですね。右目の下には、星型のシールが二つで、全体的にはこれまでのにぎやかな感じから、ぐっとシンプルになった感じです。

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 スタートは、『クルクル・ミラクル』。曲間に、短いトークを交えながら、『やる気センセーション』、『レインボー・ララ・ルー』、『チャイム』と続きます。このあたりで、早くもこれまでとは違った「おやっ?」という、いい意味での違和感を感じました。心地よい驚きとでも言うのでしょうか。

 取り立てて、どこがどう変わったとは言えないのですが・・・。歌うときの仕草や、衣装、トーク、それらの一つ一つは、少しの違いなのですが、それらがすべて集まって、一回り成長したともえちゃんを作り出しているようです。ライブ全編に流れる雰囲気自体が、確かな成長を感じさせてくれます。

 そして、次のナンバーは、なんと『忘れちゃうモン』! 隠れたファンも多い、幻の名曲!? とても好きな曲の一つなのですが、ファン歴の浅い私にとって、CD以外では聴いた事がありません。デビュー間も無い頃、唯一ともえちゃん自らの作詞(石野さんとの共作)。ファンにとっては、嬉しい選曲です。

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 続いて、もう一つのともえちゃん作詞の曲、『まるもうけ』。ここで、ハッキリと「しのランドPUNK」との違いを感じました。もちろん、バックバンドの性格の違いもあるでしょうけど。良い悪いの問題ではなく、・・・うーん何と言ったらいいか、学園祭の時よりも、「大人の音」が出ていると言ったらよいでしょうか。

 学園祭での『まるもうけ』は、とっても「やんちゃ」な感じで。今日のそれは、楽しさや、はじけるパワーはそのままに(あるいは、それ以上に)、なおかつ厚みのある「ドーーーン!」と言う感じで迫ってきます。しかも、決して芯は外さない、確固としたモノを感じます。

 とにかく、全編を通して『ひとつ大人になった』という印象がとてもしました。それも、急激な変化ではなく、非常に健康的な健全な成長という感じです。着実に階段を一歩上がったなぁという気がします。

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 そして、この後に、待望の『ココロノウサギ』! シンと静まった会場に、ドラム:熊丸さんの「ワン・ツー・スリー」の声が響き、珠玉のバラードが流れ始めます。 ・・・いいですねぇ。最高です。ともえちゃんの、代表曲のひとつになると思います。個人的には、もっとも好きな曲になりました。強いて言えば、コンサートでも最後のフレーズは、「きれいになったよバイバイ」で、終わって欲しいです。

 そしてバラードを、続けてもう1曲。でも、『あなたに会えて・・・』ではないのです。なんと!! ともえちゃん自身の作詞作曲・・・オリジナル曲です! 曲名は(まだつけてないので)、「新曲」だそうデス(笑)。個人的な感想ですが、自称「天才音楽少女」の、自称をはずしていいですヨ、いやホント。

 この曲は、ライブだけに終わらせずに、ぜひともCDに収録して欲しいと思いました。次にでるアルバムが楽しみです。何と言っても私にとって圧巻は、このバラード2曲でした。比較的ライブの前の方で、バラードを歌ってくれたのも嬉しい事です。微妙なコントロールを要求されるバラードを、喉に疲労が溜まる前に聴けて満足です。

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しのら:「本日の、メイン・・・?、メイン・・・なんでしょう? メイン・ディッシュ? あれ、違いますね。」(笑)
メンバー:「メイン・イベント?」
しのら:「そうそう、それですぅ。」(笑)

 という紹介(?)で始まった、「メドレー」。『クレクレタコラ』→『スターな男』→『おかしな二人』→『君達は天使』→『自転車泥棒』→『働く男』→『クレクレタコラ』。ほぼ、ユニコーン・メドレーですね。『クレクレタコラ』も、好きな曲でしたので、CD以外で聴けたのは嬉しかったです。

 メドレーの後、フルコーラスでユニコーンの曲をもう一つ、『雪が降る町』。

 ここでは、まだお互いに、こなれていない所もある、と感じました。特にメドレーは、バックの奏でる音の厚みに、ともえちゃんの歌が負けています。もっとも、元ユニコーンのメンバーが、持ち歌を演奏するんですから、そう簡単には、対等に歌えるようになれるとも思えませんが・・・。

 でも、ライブを重ねていくにしたがって、きっと自分のものにしていってくれると思います。

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 次なる曲は、来年1月21日発売の『カロゴンズのテーマ』(曲名決まったのかな?)。バックのメンバーとの掛け合いで、熱気ムンムンの会場に、チョッピリ爽やかな風という感じです。発売が待ち遠しいですね。

 ベース:EBIさんの、しっかり「そまった」ノリと、ギター:テッシーこと手島さんの「はにかんだ(?)」ような演奏が印象的でした。特に、ユニコーンの曲の後だっただけに、余計にテッシーさんが、オタオタしているように思えたのは、私の気のせいでしょうか? ちょうど、ともえちゃんがバラードを歌って、「は、恥ずかしいですぅ〜」と言うのに似た感じでした(笑)。

 そして、ライブ本編も最後の盛り上がり、『タイムマシンにお願い』、『学園天国』、『ウルトラリラックス』と、おなじみのナンバーで締めくくりです。

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 メンバー&ともえちゃんが退場。でも、もちろん会場からは、「アンコール」の声と拍手が絶え間なく続きます。待つ事数分。嬉しそうに、ともえちゃん再登場です。場内、拍手と歓声!

 アンコール1曲目は、名曲『あなたに会えてよかった』。キーボード:松原さんの伴奏で、聴かせてくれます。でも、気になったのは、やはり声。始めのうちは「をっ、今日はいい感じ」と思っていたのですが・・・。後半、特に最後の『ウルトラリラックス』と、この『あなたに会えてよかった』は、相当に辛そうでした。

 今日、特に感じたことですが、ともえちゃんの声域は高校生の時に比べて、少し下がっていると思います。素人考えですが、『チャイム』や『ウルトラリラックス』は、転調して下げてはどうでしょうか・・・。下はもう少し余裕がありそうですし。原曲の調にこだわらず、ベストの声域で良い歌を聴かせて欲しいと思います。

 そしてもちろん、健康管理と体力作り。1ステージを、余裕でこなせる体力を・・・。気力の方は、お釣りが来るくらい充実していると思います(笑)。

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 でも、たとえ声がかすれても、歌詞を間違えても(^^;、常に精一杯やったという心が伝わる限り、惜しみなく拍手と声援を送りたいです。また、ライブに求めるものは、レコーディング時のような、完璧さでも無いと思います。

 アーティストと観衆が、同じ会場内で、同じ時、同じ空間を共有して、音楽を創り出していく。ライブには、その場でしか創れない音楽があります。そして、アーティスト「篠原ともえ」には、それを創って行く力があるはずです。これから先も、たくさんの素晴らしい場(ライブ)を創っていくためにも、喉を大切にして欲しいです。

 そして、最後は、『全部だきしめて』。弾き語りも、以前、学園祭で見たときに比べて、格段に上手くなっていましたね。あんまり色々できてしまうから、身体がいくつあっても、足りなくなるのかもしれないなぁ、などと思いつつ会場を後にしたのでした。 うーーーん、早く次のライブが聴きたい(笑)。

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 拙い文を長々とお読み頂き、ありがとうございました。

 篠原ともえちゃんの、魅力の一端でも、伝える事ができたならば幸いです。

by. 明(めい)こと 田原 美郷

メガホン・ライブレポート


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