1997年11月30日(日)(1997年12月8日放映)
於:東京メディア・シティ・スタジオ
幸運にも、『ココロノウサギ』がテレビ初放映となるであろう、HEY!HEY!HEY!の収録に参加できる事に!11月最後の日、12:00集合とのこと。しかし、ファンの友人達と待ち合わせるため、早めに出掛けます。休日にこれほど早く起きるのは久しぶり(^^;。
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収録には付き物の、ながーい待ち時間を経て、ようやくスタジオ入り。テレビで見るよりも、はるかに小ぢんまりとしたスタジオ。ステージまで、ほんの数メートル。本当に間近で観る事ができそうです。まず、バックのメンバーが登場。続いて、ともえちゃんが! 白のオーバーに、首から赤い手袋を掛けて、冬らしいファッションです。後ろの列の、おそらく女子高生が、「可愛い〜!」、「小ちゃ〜い!」と感激の声を上げていました(おもわず、心の中でウンウンとうなずく(^^;)。
すでに、放映されていますから、ご覧になった方も多いと思います。非常に丁寧に、慎重に歌っていたと感じられたのではないでしょうか。丁寧というか、必死にならざるを得ない事情があったんです。実はあの放送分は、テイク2・・・。厳密に言うと、テイク5なんです。
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さて、登場したともえちゃん。元気に振る舞ってはいますが、緊張している様子がありありと伺えます。前回の収録や、学祭などのライブをいくつか見て感じた事ですが、メディアを通して見る姿からは想像がつかない程、彼女は緊張する性質らしいことが判ってきました。特に、バラード系を歌う時には、手が震えるくらい緊張するようです。
さっそく収録開始です。拍手の中、イントロが流れます。ジャラーン♪(チッチッチ)。
「オメデ・・・、あれ?」
入るのが1テンポ遅れました。
「すみませーん。ジャラーン、チッチッチ、オメデトウ、だよね。もう一回お願いします。」
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テイク2。
拍手!ジャラーン♪(チッチッチ)。
「オメデトウ・・・、アレー???」
今度は、早すぎました。
「アーどうしよう、ゴメンナサイ。もうチョット、チッチの音を上げて、ねっ?」
カラオケは、イントロの後、曲に休止が入ります。そこでタイミングを取るために、微かに「チッチッチ」という音が入っているのですが、拍手にカブって聞き取り難いようです。それでなくとも、『ココロノウサギ』は、入るタイミングが難しいらしく、心配するスタッフに向けて、
「ヨシ!完璧。ドンマイ、バッチリですぅ。」
と言っていましたが、自分に言い聞かせるようにも聞こえました。
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テイク3。
拍手!ジャラーン♪(チッチッチ)。
「オメデトウ、きれいになったオメデトウ、・・・」
今度は、バッチリです。あの、表情豊かな手の動きとともに、切々と歌い上げます。
「キレイになったよ、バイバイ」・・・拍手と歓声です!
「OK? オーケー? ぐふっ!(^^)」
上手く行ったようです。パっと、しのらの表情が明るくなりました。緊張から解放されたせいでしょうか。
「ありがとうございまーす! それでは、メンバー紹介を・・・」
とそのとき・・・。
スタッフ:「(篠原さん!)」
しのら :「え?」
スタッフ:「篠原さん。一個所、歌詞が違ってました。”星”の所が”夢”になって・・・」
しのら :「”星”が”夢”・・・。もう一回? もう一回ね。」
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本当に彼女は繊細な神経の持ち主で、失敗するたびに申し分けなさと恥ずかしさで、もうどうしていいかわからないという風でした。ファンとしては、しのらと共有できる時間が増えることは、苦になるどころか嬉しいのですが、かといって失敗して困っている彼女を見るのも心が痛み、複雑な心境です。
テイク4。
拍手!ジャラーン♪(チッチッチ)。
「オメデトウ・・・、アレー???」
また、入りのタイミングが合いません。
音楽をやる人は経験あると思いますが、同じ所で間違える、いわゆる「ハマっちゃった」状態です。
「ジャラーン、チッチッチ、オメデトウ・・・ブツブツ。」
目を閉じて、真剣にタイミングを取り直しています。
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テイク5。
拍手!ジャラーン♪(チッチッチ)。
「オメデトウ、きれいになったオメデトウ、・・・」
若干、早かったかもしれませんが、許容範囲と見たのかそのまま流します。「今度こそ」という意気込みか、大事に大事に歌っているように見えます。
「キレイになったよ、バイバイ」・・・拍手と歓声!
そんな苦労の末に出来たのが、あの放映なんです。ちょっと、感無量(^^;。って、苦労したのは自分じゃないんですが(笑)。
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拙い文を長々とお読み頂き、ありがとうございました。
篠原ともえちゃんの、魅力の一端でも、伝える事ができたならば幸いです。
by. 明(めい)こと 田原 美郷
1997年11月30日