ライブツアー’99"DREAM&MACHINE" 最終日ライブ・レポート

1999年6月30日(水) 19:00

「Zepp Tokyo」

 まだ出来たばかりのライブ会場 Zepp Tokyo が、今年のツアー最終日です。開演前の、バンドメンバーによる音合わせも、何かノリが違うように感じられます。「今日がツアー最終日なんだゾ!」という意気込みでしょうか?

 不確かな記憶を頼りに書いたので、曲順等の間違いはゴメンしてください。

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 開演時間を過ぎて、徐々に緊張が高まります…。ステージ上には、透けてみえる黒っぽいスクリーンが下がっています。…と、「ラスト・ティーン」のインストゥルメンタルと共に、スクリーンの向こうに後ろ姿のシルエットが浮かび上がりました。
 スクリーンが落ちて、ともえちゃん登場! パッと目に飛び込んだ印象は、まさにフェアリー(妖精)。濃い目の水色が基調の衣装です。「しのドーム」でお祝いメッセージを聞いていた時の衣装を、ぐっとシンプルにかつ大人っぽくした感じとでも言えばいいでしょうか。ヘアスタイルは、完全に爆発しています(笑)。おそらく、ウィッグでしょうが…。
 MC無しで出だしの曲は、「THE BEST OF MINE」。最初は、とても歌うのが嫌だったというこの曲。でも、歌ってみると、新しい自分に出会えたと聞いています。プリプリのバックでも、よく流れていますね。続いての曲は、「クルクル・ミラクル」いつもと変わらぬノリで、早くもうっすらと汗が…。

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 バラード → アップテンポ → バラードと、曲のレパートリーも豊富になりました。3曲目は「SPRING TIME」。4曲目は、個人的に大好きな「ハロー・スティーヴン」。ハーモニカもすっかり上達しました。何度聴いても名曲です。この先もずっと長く歌って欲しい曲です。
 この後のMCで、この秋に「自伝」を出すとのこと。内容は、悩めるシノハラのこと、大恋愛(!!)のこと、大失恋(??)のこと、デビュー当時のことなどなど…、楽しみですね。失恋話から、次の曲「忘れちゃうモン」へ。MCの繋がりも、お見事です。ご存知の通り、この曲は作詞を担当しています。この頃から、シンガーソングライターの片鱗はあったわけですね。
 続いて「ラスト・ティーン」。お気に入りの曲のひとつなのでしょうか、ノッてます。時々、汗が散って光ります。曲順がちょっとアヤシイですが、次がたぶん「20回目のバースデイ・イヴ」。「早く帰って今日はのんびりしよう」は、好きな一節です。

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 再びMC。MINEAのCMの話題をはさんで、CMの曲「Woman in Life」(仮題)。「Woman in Life 風の中に、〜魔法の調べ」。これも、良い曲です! さすがに他の曲よりも、歌いこなれてはいない感じですが、次のシングルにしてもいいのでは?と思いました。歌い込んで欲しい名曲です。間に転調して、「ココロノウサギ」が流れ、再びMINEAの曲に戻りました。
 この後のMCで話していた、「自分がバラードなんて歌ってもいいのかな?」と言うくだりでは、思わず拍手してしまいました。バラードに限らず、ジャンルにとらわれず色々な曲にチャレンジして欲しいです。特にバラードはOK!「あなたに会えてよかった」、「ココロノウサギ」、「会いにいくの。」等、数々の名曲が何よりの証拠です。
 次は拓郎さんのカバー曲「地下鉄にのって」。当時のイメージを壊さず、なおかつ自分の曲として良く仕上がっていると思います。そして、みんなと一緒に歌った「全部抱きしめて」で、第一部終了。

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 幕間には、野球チーム「DREAM&MACHINES」のユニホーム姿で、マネージャさんやスタッフの方4人が登場し、何やらアヤシゲな体操を披露(^^;。数分の後、今度はともえちゃんも「しのドーム」の時のユニホーム姿で登場です。第一部が、比較的しっとり、じっくりと歌を聴かせるとすれば、第二部は思いっきり楽しく、はじけて、ノリノリと言うコンセプトでしょうか。
「MUSIC」で第二部スタートですが、ナント「生しのミドリ」二体が登場(!?)。ちょっと形容しがたい(^^;ですが、つまり全身緑色タイツのコスチュームに、巨大なしのミドリ頭がポンポンを持って現れました(笑)。会場、笑いと「エーッ!?」という感じと半々くらい? まあそれはともかく、この後どんどん会場のテンションは上がっていきます。次の曲「アリゲーター」、「レインボー・ララ・ルー」、そして「まるもうけ」と、会場も一緒にノッて踊ってジャンプして、盛り上がり最高です! いったい何回ジャンプしたかな?
 ステージでは、生しのミドリに加えて、今度は七色の全身タイツに身を包んだスタッフが、徒手体操で虹を(笑)!ステージ上のバンドメンバーもノリにのってます。コーラスのお二人が踊るのははもちろん、パーカッションのアキレスKENさんが絶好調!!と思いました。それに、ベースのTAROさんも! いや、ノッていると言えば、みんなノッてましたね。
 やっぱりツアー最終日と言うことで、「これが最後だあっ!」という思い入れがあったのだと思います。ともえちゃんも、ステージ狭しと動きの激しい第二部でした。

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 アンコールの声にひかれる様に、再々登場のともえちゃん。紺のTシャツを着て、ぐっとおとなし目の…と言うか、ラフな(くだけた)感じです。もともとここのステージと客席の距離感は、近く感じていましたが、この衣装や場の雰囲気が変わって、より一層ステージが近くなったと感じました。
 メンバー紹介をはさんで、何とテッシーさんのギター一本だけの伴奏で、メンバーと共に歌う「anything」! 音の広がるステージでの、アカペラに近い演奏は非常に難しいと思うのですが、PAの音に慣らされた耳には、とても新鮮に聞こえます。大変かもしれませんが、こういう演奏ももっとどんどんやって欲しいですね。
 音の洪水のような曲ばかりではなく、清流のせせらぎに耳を澄ますような、聴衆が集中して聴くような演奏があっていいと思います。この日の「anything」(そして後程の「会いにいくの。」)は、まさにそうした演奏ではなかったでしょうか。

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「anything」に続き、ツアー最終日スペシャル(?)ということで、デビュー曲の「チャイム」。奇しくも翌7月1日は、デビュー4周年。その思い出の曲です。やはり名曲ですね、曲の持つパワーというか。今聴いても、まったく古さを感じさせません。いや、彼女の成長にあわせて、「チャイム」も成長しているかのようです。
 そして、「ウルトラリラックス」。何と18曲めです。15曲くらいかと思っていたのですが、またまた嬉しい方に予想がハズレました。さすがに声に疲れが見え始めましたが、それでも以前のような不安感はありません。歌い手として、また一回り大きくなったようです。

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 MCでは、おじいさんと久しぶりに会ったことから、「会いにいくの。」が生まれたいきさつを、話してくれました。そして、「会いにいくの。」。会場内は、静かに、本当に聞き入るように静かでした。皆の気持ちがひとつになって、彼女の歌に耳を傾けている。その瞬間を感じたのは、私だけでは無かったと思います。

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 楽しい時間は、あっという間です。20曲にもおよぶスーパーライブも、いよいよ最後の曲「君んち。」。バンドメンバー以外のスタッフの代表もステージに上り、本当に皆が心を合わせて作り上げたステージなんだなぁ、という感じが伝わってきました。そして、そのスタッフへの感謝の気持ちを忘れない、ともえちゃんの姿勢も強く感じました。
 今回のステージは、とにかく彼女も企画に参加して、スタッフと一緒にあーでもない、こーでもないと、頭を悩ませたのだと思います。中には思わず笑ってしまうような演出もありましたが、とにかく楽しく、かつ真剣にステージに取り組んでいる感触が、強く印象に残りました。
 ただ与えられた曲を歌うだけの歌手ではない、自分自身を積極的にプロデュースするアーティストとして、確実にステップアップしているようです。

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 しかし! とにもかくにも、やっぱり「篠原ともえ」は、ステージが一番、生き生きと光っています。ライブでの彼女こそが、アーティストとしての姿、「天職」だと感じるのですが…。CMやバラエティ、ドラマ、etc.。彼女は器用にこなしてしまいますが、やっぱり本当の場所は、ステージだと思います。個人的な希望を言わせてもらえば、ライブに力を注いで、今の2倍、3倍の本数を演って欲しいです。

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 拙い文を長々とお読み頂き、ありがとうございました。

 篠原ともえちゃんの、魅力の一端でも、伝える事ができたならば幸いです。

by. 明(めい)こと 田原 美郷

記 1999年 7月25日

ライブツアー’99 ”DREAM&MASHINE” ツアー最終日曲順(1999.6.30 於:Zepp Tokyo)

THE BEST OF MINE
クルクル・ミラクル
SPRING TIME
ハロー・スティーヴン
忘れちゃうモン
ラスト・ティーン
20回目のバースデイ・イヴ
Woman in Life(仮題) 〜 ココロノウサギ
地下鉄にのって
全部抱きしめて

MUSIC
アリゲーター
レインボー・ララ・ルー
まるもうけ

anything
チャイム
ウルトラリラックス
会いにいくの。
君んち。

メガホン・ライブレポート


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