ここからの調整にも時間をかけます。「機械での測定はあくまでも目安。クルマは走ってナンボなんだから最終的なセッティングは実際に走らせて詰めなきゃ」と社長はよく言っています。その言葉どおり、ケンさんは調整しては走り、戻ってきては調整して、という行程を繰り返していました。
その間、私はお店の軽トラを借りて外したスタッドレスタイヤを自宅に運びます(外した自分のタイヤすら運べないクルマだもんな)。クラッチは軽いし、ステアリングは寝てるし、もちろん力はないしで軽トラの運転は最初は戸惑うけど、慣れるとこれはこれでなんか楽しさがあります。
さて、戻ってくると調整も完了していました。早速試乗します。直前まで軽トラに乗っていたせいで、クラッチがやけに重く感じます。着座位置も低いし。「どっこいしょ」と言う感じで走り始めます。10mも走らないうちにその違いに思わず顔が弛みます。まさしく「生き返った!!」という感じで、路面の継ぎ目を乗り越えるときの感覚も段違い。今までは「ガツン」「ゴチン」って感じで不快でしたが、「コトッ」「コツッ」と小気味良い感触に変わりました。まだショックが馴染んでいないせいか、硬さが感じられたり、曲がる時にちょっと突っ張る感じもありますので、もうしばらく走ってからが楽しみです。
意外だったのはアイドリング時にボディ全体に伝わるエンジンの振動が少なくなったことです。交換前に比べて信号待ち等で停車しているときのユラユラ揺れる感じが収まったようです。あと、これは精神的なものでしょうが、シフトやエンジンのフィールまで良くなったように感じられます。とにかく今までとは別のクルマになったようです。
で、ここまではタイヤには普通の空気が入っていました。社長曰く「まず、普通の空気で走ってから窒素ガスに替えてみると違いが分かって面白いかと思ってまだ替えなかった」とのこと。そこでさっそく窒素ガスに詰め替えてみました。
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