オキナグサ(翁草)/キンポウゲ科、オキナグサ属

 

 子どもの頃、春、この辺の里山の開けたところで、よく見かけた花である。今はなかなかお目にかかれない。絶滅危惧種U類に指定されている。

山が手入れされず、木が伸び放題になっていたり、そうかと思うと山を丸ごと伐採して、そこに果樹を植えてしまったりしたことも関係しているだろうが、それ以上に心無い人による盗掘がある。榛名山のカタクリも殆どやられた。

 全体に白い毛が密生していることや、果実の長い毛から、名づけられたが、山で出会うと、そのうつむいた赤紫色の花の色や白い毛をまとう姿に、翁よりもむしろ高貴な女性を思い、胸がときめくのは私だけであろうか。

 花弁にみえる6枚の花びらは萼。花が終わってからは、チングルマのように長い白毛をつけた実を今度はすっくと天に向けて立たせる。これも美しい。

 

2006年3月20日 榛名山麓・Kさんの山にて



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