スイバ(酸葉)/タデ科、ギシギシ属


 この辺ではスイカンボという。全国的にはスカンポ。地域によってはイタドリのことをスカンポというらしい。山道や林の縁に生育するイタドリの太い若芽をポンと折って、皮をむき口に入れると、ほのかな酸味はあるが、そのみずみずしさは、ボリュームとあいまって春山歩きののどの渇きをいやすにはもってこいである。友が一緒のときは、必ず食べさせる。

 

昔、日本が戦争をしていた頃、何もかもなくなって、いじきたないタバコ飲みはフキの葉やイタドリの葉を乾かして刻み、タバコの代わりにしていた。

一方、スカンポは田の縁や野原に生えているが、直立する若い花茎はかなり酸っぱい。その名のよってくるところである。若葉は茹でて食べることも出来るが、格別、うまいものではない。写真で見るとおり、冬場でもきれいなロゼットを形作っている。

 

田のあぜ道や水辺にはスカンポを大型にした仲間があって、この辺では、ウマスイカンボという。ギシギシである。地中に太い黄褐色の根があって、昔は、この根をすりおろしてミズムシ、タムシを直す民間療法として使った。

 

 高校生くらいまで、歌を歌うのが好きであったが、なかでも日本歌曲では、北原白秋作詞、山田耕筰作曲の歌を好んで歌った。近頃はあまり聴くこともないが、「スカンポの咲くころ」は懐かしい。

 

2006年2月12日 榛名町本郷にて



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