セリ(芹)/セリ科、セリ属

 

この時期、農家の人たちは小篭を持って田に繰り出す。採るときは夢中で、鎌で根から切り取っているが、家に帰ってから、ごみを分け、料理用に痛んでいる葉などを取り除くのが結構、時間がかかる。そして、食べるのは一瞬。

 

芹は春の山菜では昔から有名である。お店で売っている芹は栽培したもので、青々として丈もあるが、野生の芹はたけも短く、茎、時には葉も紫褐色を帯びていて、はるかに香りが強い。

茹でておひたしや、てんぷら、また、吸い物にもよい。鍋物には最高の具であろう。細く、ひげのように伸びている白い根もキンピラにすると絶品。昔、病人など食が進まないときに、食欲を増進させるといって食べさせたほどだ。

地面に沿って匍匐枝を伸ばし増えていく。昨年、庭の水栓の下に移植したら、盛大に増えてきている。春になると、茎の先に複散形の花序をだし、小さいが清楚な5弁の白い花を咲かせる。

 

5月の芹は食べるなということわざがある。水の中の蛭が卵を産みつけ、それが毒だというのだが、真偽のほどはともかく、むしろ、そのころ、目だってくるドクゼリに気をつけろということだろう。小さなうちはちょっと似ているが、葉の先はとがっているし、あの芹の特有の香りもないから、見分けはつく。

分からなければ、根を引き抜いてみることだ。ドクゼリの根は緑色を帯び、太く、竹のような節があるからすぐ分かる。夏になる頃、1m近くにも伸びる。ものの本では呼吸麻痺を起こすという、全草が有毒だから怖い。

 

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