ジュウガツザクラ(十月桜)/バラ科、サクラ属

 

 書斎の窓から見える菊枝さんのお庭には、今、白い山茶花とならんで、ジュウガツザクラが満開である。

桜は春に咲くものという固定観念を持っている人は、くるい咲きかと思うだろう。二軒先の義明さんの庭には、もう三代にわたる大きな白山茶花がある。この山茶花はよい芳香を放ち、角をまがるともう分かるほどだ。それを俳句に読んだ近所の陽子さんが、句会で山茶花は匂わないのに、想像で詠んだと仲間に批判されたといってこぼしていた。山茶花も匂いのある種類もあり、彼らが知らなかっただけである。

 ジュウガツザクラは普通に冬桜と呼ばれているが、冬桜といえば、この時期、花見、といっても、ソメイヨシノのような派手さはなく、むしろいとおしむ感じではあるが、とにかく、お花見と紅葉狩りとが一度に出来るのが有名になって、NHKテレビなどで必ず取り上げられる鬼石の桜山公園のフユザクラはヤマザクラとマメザクラの雑種といわれ、花びらは一重である。

一方、この写真のジュウガツザクラはコヒガンザクラの園芸品種で八重咲きという違いがある。同じなのは両方とも春にも花を咲かせることである。

どちらもそう大きな樹型にはならない。菊枝さんの庭の木は、30年以上にも前に息子さんの中学校卒業記念に植えたというが、高さは6〜7mで、ソメイヨシノのように枝がおおきく張ることもない。今は葉がほとんど落ちて、つんつんと上に向かって伸びている枝に、咲き始めは淡いピンク色、そして満開になった今は小さな白い花がいっぱいついている。

 

2005年12月2日 榛名町・本郷にて



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