ツルウメモドキ(蔓梅擬)/ニシキギ科、ツルウメモドキ属

 

 2003年3月に、ここ 榛名町 に戻り、新たな教会活動を始めさせていただいている。奇跡的にその7月に、すべて木造りの大きな会堂を与えられ、献堂式をしたが、そのときに場内を飾る花を買ったことがあっただけで、以来、この2年半、感謝なことに年間を通して、すべて礼拝堂に飾るお花は近隣の友人たちによって捧げられている。

 さすがに冬場は花が少なくなるので、長持ちするツルウメモドキとカラスウリを飾ろうと思い、カラスウリはお隣や本家でいただけたが、近場の沢筋にあるツルウメモドキは実のつき方が良くない。そこで会堂を建ててくださった大工さん が六合村 出身の方なので、「ツルウメモドキを採りたいのだが」と電話したところ、村に行って、どこかで聞けばすぐ分かるという。そこで榛名山を越え、川原湯を通り、 六合村 に入った。

 道の駅に行ったがあいにくお休み。さてと思ったが、道路標示に12月1日より、野反湖方面は冬季閉鎖と書いてあったのを思い出し、それならば今のうちに富士見峠にある野反峠休憩舎「花の駅」に行って聞いてみようと方向転換した。

しばらく行くと、道端に無人の店があり、真っ赤なホウズキが束になっておいてある。車を止め、買おうと思ったが値段が書いてない。そばの空き地でマメを干している人に尋ねたところ、「おれんちだ。ただでくれてやる。」という。嬉しくなって、立ち話をしているうちに、その人は、例の大工さんの一家であることが分かった。今日はツルウメモドキを探しに来たのだがといったら、この辺にはいくらであるが、そう簡単には採れない。一日仕事だ。たいていは絡み付いている木を切り倒して採るのだという。今年もずいぶんとって、市場にみんな出したという。

 よっぽどがっかりした顔を私がしたのだろう。家に1本あるからといって、真向かいの山本工業所と書いてある建物の中に入っていった。昔は鍛冶屋をやっていた家なので、 六合村 の統一看板、「かじや」という趣のある大きな木の看板も立っている。

 実に見事な枝振りのツルウメモドキを手にして出てきた。「これを、やらー。」という。いくらなんでも、ずうずうしいので、お金をと言うと、「じゃー、200円」。これには参ってしまった。礼をいい、名刺を渡すと、来年、採れたら電話するよという気前のよさだ。

  六合村 は冬住みの里ともいい、昔は草津の人が冬のあいだ、山を下りて、ここで過ごしたところ。有名な川の中の温泉、尻焼温泉のほか、いくつもいい温泉がある。特産品の、「こんこんぞうり」、「メンバ」は今ではもう芸術品だ。春夏秋冬、いつ行っても、なんとも心温まる私の好きな村である。

 

2005年11月18日

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