シロダモ/クスノキ科、シロダモ属

 

 となりの洋子さんが、自宅林に咲いている赤い実は何でしょうねと聞いてきたので、一緒に見に行った。樹高10mくらいの大きな常緑樹である。葉をちぎって口に入れると、クスノキ科特有の香りが広がった。

 図鑑で調べてみると、「シロダモ」であった。葉は10cmくらいの長さで、表は光沢があり、3本の葉脈がはっきりとしている。裏は白い。そこから名前も来ている。

 今は淡黄色の小さな花がかたまって咲いている。これが来年になると、直径1cmくらいの液果となり、11月ころには熟して真っ赤となるから、その頃には花と実が一緒に見られる珍しい木である。雌雄異株で、これは雌株。

 アオダモ(コバノトネリコ)という木がある。野球のバット材として知られているが、この木は名前は似ていてもモクセイ科、トネリコ属で違う木。

 クスノキといえば、私は1947年(昭和22年)に久留馬村立小学校(現 榛名町 立第六小学校)を卒業しているが、当時、校庭の西端にクスノキの大木があった。何年生の時だったか忘れたが、国語の本にクスノキを倒して、大きな船を作ったところ、それは飛ぶ鳥のように早かったという話があった。そのうっそうと茂る巨木を見て、その船に思いをめぐらせたことがある。クスノキは今も、元気に残っている。しかし、今は子どものころと違い、驚くほどの巨木には見えない。ときに学校を訪問するが、見上げるたびに、懐かしい思い出が、よみがえってくる。

 

2005年11月18日  榛名町本郷にて

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