ビワ(枇杷)/バラ科、ビワ属

 

 中国から果樹として渡来した常緑高木。房州枇杷を時々贈っていただくが、なかなかの味である。西日本では自生するというが、この辺では植えられたか、多くの場合、捨てられた種がいつの間にか芽を出し、大きく育ったものである。

御茶ノ水に住んでいたとき、子どもが南側の庭に種を埋めておいたものが、いつのまにか3階を越す背だけになり、毎年、小粒ながらたくさんの実をつけて、私たちも、教会員もヒヨドリに負けずにおいしい思いをした。

また、知人が肺がんになり、その葉が自然治癒力を高めるので、捜していると聞いて、何回も箱詰めにして送ってあげたこともあったが、残念ながら快癒には至らなかった。だが、効く人もあるという。

実、葉と来たので、ついでに木材としてのビワの使われ方に木刀がある。木刀というと白樫(ブナ科、アカガシ属)や赤樫(ブナ科、コナラ属)が一般的であるが、超高級な黒檀は別として、ビワはその緻密で強靭な材質がイスノキ(マンサク科、イスノキ属)とともに珍重されると聞く。

ちなみに、この辺には昔、岡田道場という剣道の道場があって、多くの剣士が出た。その流れか、今も町には煙火店の小幡清英さんも含め、かずかずの大会に出た猛者が多い。もう亡くなった方であるが、遠縁の鎮次郎さんは範士であった。町立の総合体育館には立派な剣道場があり、渡り廊下でつながっている榛名中学校や近くの榛名高校の剣道部が毎日、竹刀の音をたぎらせている。

 ビワは晩秋の頃、枝の先に外側がラクダ色の短い毛に覆われた円錐形の花序を作り、初冬には内側が白い地味な花を咲かせる。高木なのでじっくりと見た人も少ないと思う。だから、なかなか気づかないが、この花には芳香もある。小春日和にニホンミツバチが一匹、二匹さかんに蜜を吸っていた。

 

2005年11月16日  榛名町本郷・本家の畑にて

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