ダイモンジソウ(大文字草)/ユキノシタ科、ユキノシタ属

 

 この春、韓国からの友人、韓さんを榛名湖に案内したが、その際、湖畔の宿記念公園に軽トラックで草花のお店を出していた方とお会いして、話が弾み、山から採ってきたのではなく、種子から育てているというので、ダイモンジソウの小さな鉢をいただいてきた。それが今、きれいに咲いている。

もともとダイモンジソウは高い山の渓流沿いや、湿り気のある岩場に生えているから、教会の庭のフジの木の下の浅間石のところは生育環境としてよかったのだろう。

 ダイモンジソウは5枚の花弁が、「大」の字のように咲くので名づけられたと図鑑には書いてあるが、庭に咲いている花は写真でも分かるように、どう数えても花弁が5枚ではなく、6枚のほうが多い。どうしたことだろうか。

同じ仲間のユキノシタもここでは藤の木の下に一緒に生えていて、これは春に花が咲く。花弁は5枚で形も似ているが、ユキノシタは上の3枚は小さく、薄紅色に濃い赤紫色の斑点がある。下の純白の2枚の花弁は大きく垂れ下がっているから、大の字にはならない。むしろ胸に着ける徽章か。

 ダイモンジソウの葉はユキノシタよりも小さく、薄毛も生えていないが、ユキノシタと同じように山菜の珍味である。葉の裏に薄くころもをつけててんぷらにしてよし、さっと茹でてワサビあえにしていただくのもよい。この辺の民間療法ではユキノシタと同じく全草を干したものを煎じて利尿、便秘に使った。

 

2005年10月28日  榛名町本郷にて



>> 最新の写真
 
© はるなキリストの教会