リンドウ(竜胆)/リンドウ科、リンドウ属


若い頃、アメリカ人の宣教師 ビックスラー先生ご夫妻とともに住み、いろいろ教えを受け、又、お手伝いをさせていただいていた。毎月、3ドル、5ドルとサポートしてくださる何百人と言う人に、さまざまな切手を組み合わせて領収書とお礼の手紙を出すのが一仕事であった。たまりかねて、私が料金別納にすると楽になると提案したところ、私たちがマムと呼んでいた宣教師夫人に、「小幡さん。あなたが外国から手紙をいただくとき、その国の珍しい切手が貼ってあれば嬉しいでしょう。」とたしなめられ、これは応えた。以後、今に至るまで、手紙には普通切手ではなく、記念切手などを使うようにしている。

ふるさと切手では、残念ながら群馬県のものが少ないので、秋にはよく長野県のリンドウの切手を使った。この辺では買えないので、わざわざ軽井沢まで行って、買ったりしていたが、増刷しないのか最近は手に入らなくなった。

リンドウはキキョウに似ているが、キキョウはキキョウ科の植物で別の花。リンドウの花は直径3cmほどの合弁花で、先が5裂しているが、写真で見るように、その裂けた間に小さな副花冠が出ていて、なかなか凝ったデザインをしている。

10月の6〜7日と涸沢に紅葉の写真を撮りに行き、晴天にも恵まれ、青い空、白い岩、赤いナナカマド、黄色のヤマハンノキ、そしてまだ色づかぬ緑と大いに堪能してきた。帰りにはパノラマ・コースから徳沢に下りたが、道々、赤い実をつけたツルリンドウを見た。これもリンドウ科である。この辺では、ほとんど絶滅しかかっている、センブリも同じ科。そのほか、里山の春に咲く、小さなハルリンドウ、フデリンドウ、至仏山などの高層湿原に咲くタテヤマリンドウもリンドウ科である。

リンドウは竜胆の音読みのなまったものというが、飯泉先生のご本によると、漢名でいう竜胆とは朝鮮半島や中国大陸北部に分布し、葉の形が日本産のとは違うので、別の変種とするのが普通であると書かれておられる。

この根は猛烈に苦い。「熊胆」よりも苦いからと敬意を表して、「竜胆」と名づけられたと言われている。ヒゲ根は淡黄色をしており、これを干して煎じて飲むと、消化不良、腹痛に効く。また、日常に飲用して腱胃剤ともする。

 

 

2005年10月20日  榛名・沼の原にて

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