ゲンノショウコ(現の証拠)/フウロソウ科、フウロソウ属


子どもの頃は、おなじみの薬草であった。どこの家にもドクダミと一緒に、これの全草を干したのが保存してあって、腹痛、下痢だというとこの煎じ薬を飲まされたものだ。

 

土手や草原に生えている薬草であるが、この辺でも今はもう顧みられなくなって久しい。この名前は煎じて飲むと、たちどころに腹痛がなおってしまうというところから、現によく効く証拠と名づけられた。

「良薬は口に苦し」といわれるが、これはセンブリのようには苦くはなく、子どもにも飲みやすかった。また、副作用もないので、これを日常的に飲んでる人もいた。

紅花もあるというが、この辺では白い花。花柄の先に2〜3個の品のよい花を咲かせる。花が終わると、写真で見るように小さなバナナのような形の実をつけ、熟すと外皮がそりかえる。その姿が神輿のそった屋根に形が似ているというのでミコシグサともいわれる。

 

榛名の山に入っていくと、この仲間のアサマフウロ、タチフウロにもお目にかかれる。50年ぶりに榛名町に帰ってきてみると、ゲンノショウコに似た葉がいたるところで目についた。なんとなくおおざっぱな感じがするので、なんだろうと思っていたが、小さな花が咲き始めて分かった。これはアメリカフウロソウ。昭和初期に京都で見つかった北米原産の帰化植物。回りまわって、ここまで来たのか、この辺も帰化植物がとにかく増えてきている。

 

 

2005年8月26日  榛名町本郷にて

拡大して見る(1144*856px) ]


>> 最新の写真
 
© はるなキリストの教会