テリハノイバラ(照葉野薔薇)/バラ科、バラ属

 我が家から榛名湖に向かう林道を6月ごろ通ると、真っ白な花を円錐形にたくさん付けたノイバラにいたるところでお目にかかれる。秋になって赤く熟した実をたくさん付けた枝は見事で、ほとんど一冬中、礼拝堂を飾る。

今年は野鳥のプレゼントで教会の庭に二ヶ所もノイバラの芽が出て、枝が大きく伸びてきている。来年を楽しみにしている。

今の時期は榛名の沼の原にテリハノイバラがたくさん咲いている。ノイバラがかたまって花を付けるのに対し、テリハノイバラは一輪づつ大きめの白い花を付けるので見分けがつく。そして枝はよく分岐しながら、地面を匍って伸びる。その名のように葉はつややかに光っている。

太平洋戦争が終わった翌年、小学校6年のとき、多胡先生の指導で学校に合唱部ができた。手始めに「埴生の宿」とかウエルナー作曲の「野ばら」などを混声3部で歌った。シューベルトの「野ばら」はボーイ・ソプラノで、「くれないにおう、野中のばら−訳詞 近藤朔風」とゲーテの詩を無邪気に歌っていた。

 ふつう見ることができるノイバラは真っ白であるが、ドイツには赤い野ばらがあるという。この合唱団はそのまま中学にまで続き、1年のとき県大会で入賞し、喜んだ学校は出来たばかりのPTAに頼み、初めてアップライト・ピアノの中古を寄贈していただいた。それまではコンクールのたびに、村で唯一ピアノがあった細谷さんの家に行き、音合わせをしていたという時代であった。

 

2005年7月27日  ゆうすげの道にて

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