ヤマオダマキ(山苧環)/キンポウゲ科、オダマキ属

 花の名の由来は花弁の距の突き出した形が、昔、紡いだ麻糸を巻いて、中空の玉にしたのに似ていることから。種子が熟す頃になると鞘のあたりがねばねばするようになる。繁殖の知恵であろう。この仲間のミヤマオダマキは、たとえば7月の中旬から北岳頂上直下のお花畑によく見られる見事な青紫の花である。ただ、丈はヤマオダマキに比し、はるかに低く、砂地に這いつくばるようである。よく庭先で見る花の大きなオダマキはミヤマオダマキの園芸種。

 いま、NHK大河ドラマで若手の人気タレントを総動員した、「義経」が若い人たちにも人気を呼んでいるというが、私はどういうわけか、昔、太平洋戦争が始まったばかりの国民学校1、2年生のころか、母につれられて観にいった白黒の映画を思い出す。雪の吉野で義経と別離の悲哀をあじわった静御前は、その後、捕えられ鎌倉へ送られる。八幡宮の舞殿で関東の弥栄を願う舞を頼朝に求められた静御前は、「しずやしず、しずの苧たまきくり返し、昔を今になすもがな。吉野山、峰の白雪ふみわけて、入りにし人のあとぞ恋しき。」と死を決して、「静や、静や」と呼んでくれた義経を想い、万感の思いをこめて歌い、舞う。その悲壮なまでの美しさに政子をはじめ、居並ぶ鎌倉武士はみな涙をそそられる。が、そのあとには残酷な頼朝の仕打ちが待っていた・・生まれでた愛する義経の男の子を抱き、狂おしく海辺に立ち尽くす場面も目に残っている。



2005年7月8日  榛名湖・ゆうすげの道にて

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