ダンコウバイ(壇香梅)/クスノキ科、クロモジ属

御茶の水では木曜日に婦人たちの聖書クラスをもっていたが、このグループは毎年、春と秋にハイキングを行っていた。ある年、裏高尾の小さな沢にいったことがあったが、そこで栄子さんが一本のダンコウバイを見つけ、教えてくれた。私にとっては初めて出会う花であった。

榛名に50年ぶりにもどって来て、再び山を歩いてみると、4月中旬の山道のいたるところに5,6メートルに伸びたダンコウバイが真黄色に輝いていた。子どものころは気づかなかったのかと思うほどだ。アブラチャンも咲いていて、遠くから見ると見分けが付かないが、花の色はダンコウバイが鬱金色で枝に直接つき、アブラチャンは淡緑色がかった黄色で花柄があるので見分けられる。

ダンコウバイは雌雄異株でこの写真は雄株だと思う。雌株の花はもう少しまばらに付き、花が終わると径8ミリほどの球形の液果を付ける。はじめは緑色であるが、秋になると赤く色づき、そして紫黒色になる。葉は互生し、きわめて特徴があって、山では目につきやすい。先端が三つに分かれた小さな天狗の団扇である。秋には黄色に紅葉する。枝葉はクスノキ科特有の香りがある。

 この欄でもしばしばお世話になっている飯泉 優先生によりますと、この漢字書きは、本来、中国から渡来したロウバイ科の唐蝋梅の漢名であって、今、いうダンコウバイの本来の漢名は鬱金花であって、実際、江戸時代にはウコンバナと呼んでいたが、明治初期からこのダンコウバイという名が日本名として本種に転用され、現在は漢字表記として定着しまったのだという。

  そして、ダンコウバイの語源について、同じクロモジ属にヤマコウバシがあり、それに対する谷沿いに咲くコウバシ(香ばし)ということで、タニコウバシがなまったものであろうという説を紹介しておられる。



2005.04.14

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