ナンテン(南天)/メギ科、ナンテン属

 教会の庭のナンテンの実は野鳥のご馳走になってしまった。どのような赤い小鳥になったのであろうか。この見事な写真は私が自動車でお世話になっている清水自動車整備工場の清水 昇社長さんのお庭のナンテンである。
 中国原産で南天燭といったが、略して南天となった。難を転ずるとかけて、好んで庭に植えられる常緑低木である。梅雨のころ、幹の先に大きな円錐形の花序をだし、小さな白い六弁花をたくさんつけ、おしべの黄色が映える。
 ナンテンの葉は鳥の羽状。葉柄は一箇所から3本づつ出るので、その葉柄が落ちた後の痕跡が面白い形になる。それをとって腕の内側に強く圧せば、そこにはベンツのマークのようなしるしが残る。これは子どもの遊びであった。
 また、冬、雪が降ると今は亡き母はお盆に雪をとって、ウサギの形を作り、ナンテンの赤い実を目に、緑の葉を耳に見たてた雪ウサギを作ってくれた。
 この辺では何かというとお赤飯を炊く風習があり、私の好物なのでありがたい。重箱のお赤飯の上にナンテンの葉が添えられているのは、見た目にもきれいだが、これは先人の知恵で生の葉には殺菌作用がある。昔は魚にあたった人に、この葉を何枚も噛ませて、その汁を飲みこませたものだ。実際、噛んで見るとかすかな酸味と苦味のある葉はいかにも効きそうな気がする。
 私が時々、お世話になるナンテンの名をつけたのど飴があるが、ナンテンの実には一種のアルカロイドが含まれていて、末梢神経を麻痺させる作用があるから、これを煎じたものは百日ぜきや喘息の発作に効く。また、根は掘ってみると曲がりくねっていて、まっ黄色であるが、これも煎じて飲むと頭痛、筋肉疲労などの痛みを和らげる効き目がある。


2005.01.
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