ツワブキ(石蕗)/キク科、ツワブキ属

 先月、従兄の徳美さんの家で家庭礼拝をおこなったとき、この写真を撮った。彼は花が好きで、一年中花が絶えないように庭をデザインしている。
 さて、ツワブキは秋から冬の庭を飾る数少ない花である。写真の花は葉の間から高さ50cmほどの花茎が伸び、上部で何本かに枝分れして、鮮やかな黄色の径4cmほどの頭花を散房状につけていた。一つひとつの花は多数の管状花からなり、その周りを雌花である舌状花が飾る。
 暖地の海岸などに自生するが、広く観賞用に庭に植えられており、葉に斑入りのものなど種類も多い。ツワブキの名は葉に艶があるのでツヤのあるフキから転訛したものであるという。
 もう20年以上も前になるが御茶ノ水キリストの教会の人たちと家族修養会と称して、小さな子どもたちがいる家庭を中心にした合宿を毎夏、西伊豆の岩地海岸で行っていたが、そこの海沿いの崖にはたくさん自生していた。
 普段、目につくのはたいてい庭の半日陰の陰気なところにあるから、子どものころはなんとなく気味がわるかった。それに葉や茎の特有の臭いも好きになれなかった。しかし、長じて分かったことはあの美味な九州名物キャラブキは何とこのツワブキの葉柄の佃煮であったのだ。キャラとはインド原産の有名な香木。茎から出る樹脂で作る沈香の色が黒いので、伽羅色の蕗煮からキャラブキとなった。
「わが庭の石蕗の花咲きそめて 二日晴れつつ けふぞ曇れり」斉藤茂吉


2004.12.
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