ガマズミ(莢ずみ)/スイカズラ科 ガマズミ属

 あまりによい天気なので、町つくりネットワークの清水さんを訪ねて榛名の中腹に登ると、真っ赤に色づいたガマズミにひさしぶりにお目にかかった。 彼はヨツドメといったので懐かしかった。子どものころはこれをヨツドメと呼んで、秋になるとよく採って食べた。甘酸っぱい味が口中に広がり、種ごと噛んで飲み込んだものだ。歯ごたえのある種は小魚の骨を噛む感じであった。
 ガマズミは梅雨ごろに雄蕊をつんつん伸ばした5mmほどの5弁の白い花が泡のようになって、直径10cmほどの散房の花序を今年伸びた若枝につける。遠くから見ても、近くで見てもなかなか風情のある花である。
 高い山に行くと同属のムシカリがある。これはよく葉が虫にくわれるので、虫食われから転化した名であるという。葉が大亀の背中に似ているというので、オオカメノキともいい、尾瀬ヶ原へ向かう鳩待峠から山の鼻に下る途中でも見た。これも同じく散房の花序をつくるが、ムシカリは小さな花をかこんで、大きな白い装飾花をつけるので見分けがつく。
 同じガマズミ属にミヤマガマズミがある。この春、野反湖にシラネアオイを見にいったときもこの花が点々と咲いていた。これはガマズミよりもまばらに実をつけるが、花と実はガマズミよりもやや大きい。
 ガマズミの木は堅いので鎌の柄に使われたことから、カマツカという名もつけられている。ただ、バラ科、カマツカ属の落葉小高木に、同じ名前のカマツカがあるので紛らわしい。
 このカマツカの花も散房の花序に集まって咲くが、ガマズミよりもまばらであって、花は大きく径8〜9mm、五弁の白い花である。実は同じく秋になると赤く色づくが、ガマズミより大きく、楕円形のナシ状果、長さ7〜9mm、バラ科の果実によく見られるように先に萼の残りがついている。


2004.12.
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