チャ(茶)/ツバキ科 チャ属

 中国原産。日本には平安初期に僧 最澄が唐から薬用として種子を持ってきたのが始まり。それから四百年近く過ぎた建久2年(1191年)、今度は栄西が宋から臨済宗とともに茶の種子を持ち帰った。栄西は喫茶養生記を著し、その中で効用、栽培法、製茶法までも書き綴ったので、茶の中興の祖といわれる。
 茶の木は晩秋、葉腋に5弁の真っ白の花をつける。真ん中にある雄蕊は鮮やかな黄色。ほのかな香りがある。私の弟は戦中の11月1日に亡くなったが、透き通るように白くなって床に横たわっている弟の顔と二重写しになって、その日も咲いていた茶の花を今もはっきりと覚えている。
 まだ、熟しきらない実の皮を剥くと、明るい茶色をした刮ハが出てくる。子どものころはこれを「エイセイボーロ」といって弟や妹たちと遊んだものだ。そういう商品名の小さな焼き菓子に似ていたからである。
 昨年、7月に木造りのすばらしい教会堂が与えられた。会堂の正面の左手に茶の垣根を作ろうと狭山の茶業試験場から茶の木の苗10本を譲っていただき植えた。幸い、根付いてくれて、背だけも伸び、今、一斉に花を咲かせている。あと2、3年もしたら茶摘ができるだろうかと楽しみにしている。
 茶は製法によって四つに分かれる。発酵させない緑茶、これも蒸かして手もみする玉露、煎茶などの種類と釜炒りの茶、次に半発酵のウーロン茶、そして発酵させた紅茶、最後に後発酵の黒茶(プーアール茶)である。
 先年、台湾の教会を訪れたとき、信友の蔡さんの家に泊めていただいたが、ご主人の光銘さんが烏龍茶を淹れてくださった。その作法、茶器も珍しかったが、なによりもその味に驚いた。缶やペット・ボトルのウーロン茶しか知らなかったのだから無理もない。翌日、奥さんの照子さんが町のお茶屋さんに案内してくださった。何と店には何十種という烏龍茶の壷があった。老店主が説明しながら次々といれてくださった。以来、烏龍茶のファンになり、台湾土産はかならず烏龍茶となった。蔡さんは茶器セットをプレゼントしてくださったが、なかなか使いきれず、簡便法として教えていただいた、深めの茶碗に茶葉をいれて熱湯を注ぎ、そのままいただくというものぐさを通している。
 緑茶の渋みはタンニン、その一つのカテキンを茶は多く含む。あの旨味はアミノ酸、これは抹茶、玉露に多い。覚醒作用のあるカフェインは玉露、抹茶に多い。ビタミンCは煎茶、釜炒り茶。ビタミンAは抹茶、玉露。ビタミンEも煎茶にはある。効能に関してはカテキンの抗酸化作用との関わりからガン予防、老化防止、血圧降下作用、コレステロールの上昇防止、抗菌、抗ウイルス、肥満予防などが上げられている。今後も続く研究に大いに期待したい。


2004.10.
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