キンモクセイ(金木犀)/モクセイ科 モクセイ属

 10月1日、朝早く庭におりたら、突然、キンモクセイの香りに包まれた。今朝、土岐先生に行くと、庭にこの大木があり、診察室まで香りが漂っていた。しばらくこの辺は昼といわず、夜もこの香りを楽しめる。
 庭の木は、昔、母が植えた二本のうちの一本である。一本はまだ若いうちに知人に上げた。残った一本は直径が30センチにもなっていたが、一昨年、古い家を建て替えるとき、廣神建設さんがパワー・シャベルで掘り上げ、庭の南側に移植してくださったのが、昨年につづき元気に咲いている。
 中国南部の原産、常緑の小高木である。雌雄異株、日本には雄株が多いので、実を見ることは少ない。朝日新聞の「花おりおり」は飯泉 優先生の時代から楽しみにしているコラムであるが、先日、「近年、キンモクセイは日本での作出との説も出たが、中国の『秘伝花鏡』1688年が先立つ。」と書かれていた。 中国では桂花と呼ぶ。英語では、Fragrant Olive、すなわち、匂いオリーブ。オリーブも木犀科である。オリーブの枝はノアの箱舟の故事から平和の象徴とされ、国連の旗にも描かれている。
 聖書にはオリーブがしばしば出てくる。もっとも有名なのは、前掲の創世記 8章にあるノアが放った鳩がオリーブの若葉をくちばしにくわえていたことと、時代が下がって、イエスと弟子たちが祈りの場としていたオリーブ山で、そこにはゲッセマネの園があった。現在、オリーブの野生種はカルメル山とガリラヤ地方西部に見られるが、イエスが歩かれた時代には、すでにあらゆるところで栽培されていた。ゲッセマネの園にある老木は2000年も前のローマ時代のものといわれたこともあったが、最近の調査では何百年だろうという。
 中国茶がもてはやされているが、ウーロン茶にキンモクセイの花を入れた桂花茶がある。胃弱、不眠症、低血圧症の人によいという。また、肝臓の働きを助け、冷え性の人にもよいと聞くが、私はむしろ、ホット・ネイチャーだし、高血圧気味だから、いらないのかなと思う。


2004.10.
拡大して見る(1144*856px) ]


>> 最新の写真
© はるなキリストの教会