ツルレイシ(蔓茘枝)、ゴーヤー/ウリ科 ニガウリ属

 先週に引き続き沖縄系を取り上げる。32年前の初訪問の際、ご馳走になったものの一つが「ゴーヤー・ちゃんぷるー」である。いっぺんにファンになった。
 NHKの「ちゅらさん」以来、ツルレイシという名はいうまでもなく、苦瓜ともめったに呼ばない。全国区の「ゴーヤー」である。熱帯アジア原産、1年生のつる植物。果実が真黄色に熟すと先端が裂け、赤い肉に覆われた種子が見える。種の周りの肉は特有の甘さがあり食べられるが、ほとんどは果皮が若いうちに収穫して食べるので、見る人は少ない。この果皮が苦いので苦瓜であった。

 ここ榛名町の夏は沖縄よりも暑いので、ゴーヤーは実によく成長する。我が家でも隣の洋子さんからいただいた苗が伸びて写真のように実を結んでいる。
 なんでも群馬県は全国でも有数の生産県であるという。そのようなわけで、毎日、食卓はちゃんぷるーに始まり、サラダ、漬物、おひたしとゴーヤー尽くし。これで青汁をいただくようになればゴーヤーマンになりそうである。

 古く中国の書物にゴーヤーの効用が書き残されているが、こちらでも長寿県であった沖縄の伝統食の研究などから、暑さで心臓に加わる負担を減らす効能、血液の循環をよくし、精神安定の働きをすることなどが経験的に知られてきている。しかし、科学的にはまだ分からないことが多いという。
 それでも、他の野菜に比べて、抗酸化ビタミンといわれるビタミンC、ビタミンBの一種である葉酸の含有量は圧倒的に多いことが分析されている。特にゴーヤーのビタミンCは熱に強い特性があり、料理してもさほど壊れない。血糖値を下げるある種の植物ホルモンを含む、不溶性の植物繊維を多く含むので、これが腸の蠕動運動を助けて便秘に効く。共役リノール酸を含み、脂肪を分解する、カリウムを多く含むので間接的に血圧を下げる。NK細胞を活性化する成分が見つかったのでガン細胞の増殖を防ぐことも分かってきたと盛りだくさんであるが、まだまだ、これからの研究が期待される天賦の不思議な野菜である。

 その他、教会の庭にはウリ科のキュウリ(キュウリ属)、ヘチマ(ヘチマ属)、ユウガオ(ユウガオ属)、セイヨウカボチャ(カボチャ属)、カラスウリ(カラスウリ属)がある。この秋はヘチマの根元を切って導管液であるヘチマ水を採り、自然の恵みの化粧水を作ろうと思う。


2004.09.
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