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ウコン(鬱金)/ショウガ科 ウコン属 私が初めて沖縄を訪れたのは復帰の年であった。伝道者の友は私をまだ手の入っていない、いくつかの戦跡に案内してくださり、ザワワ、ザワワと風の吹くサトウキビ畑を歩きながら、日本軍にガマを追い出された後、敵弾が耳元をかすめる中を逃げのびた話を静かに話された。聞く私にはことばもなかった。 世界に誇る平和憲法が危うい。「過ちは二度と繰り返しません。」と誓ったのは、誰であったのか。沖縄は日本でありながら、事実はアメリカの世界戦略の防波堤としてほとんどを占められている。政府は何もしない、同調している。 そのような地ではあったが植物相は豊かであった。教会の庭にその時、初めて見る花があった。彼が「ウッチン」といったウコンであった。また、歩くにつれ、処々でゲットウ(月桃―ハナミョウガ属)やジンジャー(シュクシャ属、野菜のショウガとは違う)にお目にかかり、その他、数え切れぬ草木があった。 本島の北、山原のイタジイ(スダジイ、ブナ科の常緑高木)の原生林の樹下には5メートルもあろうかというヘゴ(常緑の木生シダ)が生い茂り、白亜紀に迷い込んだかのように目を見張らされた。所々に、「ハブに注意」の立て札があったが、舗装された一周道路ができた今は、ハブやセマルハコガメ、そして、時にヤンバルクイナまでもが災難に遭っていると友は嘆く。 ウコンは原産地インドの多年草。ハーブに詳しい人は「ターメリック」で覚えているだろう。カレー粉のあの黄色の素である。根生姜に似た根茎を薬用とする。その効用は万能で、消化器系から、血液、外傷にまで及ぶ。 私の信友、東海大学の石井直明教授は抗加齢の研究で世界的に知られているが、体内の活性酸素による酸化ストレスが老化の原因の大きなものであるとの論文を書いておられる。彼の論文は英国の「ネイチャー誌」に掲載され、また、NHKの「クローズアップ現代」でも取り上げられた。 ウコンにはその活性酸素を取り除く抗酸化作用のあるポリフェノールの一種であるクルクミンやフラボノイドがかなり含まれている。またクルクミンは肝機能を強め、免疫力を向上させる働きをしたり、胆汁の分泌を促す働きもする。 小幡家の本家が近くにあるが、ウコンを栽培していて、今は大きな葉を繁らせながら、丈が私を越すほどに伸びている。健康のために一家でお茶にして飲んでいるという。今の季節、私はもっぱらほのかな香りのする珍しい形の花をいただいて来ては礼拝堂に飾り<写真>、創造の神の作品を楽しんでいる。 ![]() 2004.08.
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