![]() |
||||||||||
![]() |
||||||||||
|
![]() |
カタバミ(傍食、酢漿草)/カタバミ科 カタバミ属 ハート型に葉の先が欠けているので、このように名づけられた。これを懸けて詠んだ歌が、古今和歌六帖にある。「逢フコトノ、かたばみぐさモ、摘マナクニ、ナド、我ガ袖ノ、ココロ露ケキ」 日本中、どこにでも生えている。花壇や庭では取っても、とっても生えてくる困った草であるが、見るほどにかわいい花を咲かせるので、どこか憎めない草である。朝早く五弁のまっ黄色の小さな花を咲かせ、午後にはしぼむ。葉は淡緑色と臙脂色の2種類があるが、夜になると二つに折れて閉じる。花の後に先のとがった円柱形の緑色、15mmほどの刮ハがでてくる。子どものころは、これをバナナに見立てて遊んだ。鳳仙花(琉球ではテンサグの花といい、この花で爪を染めることにかけて、親を思う有名な歌がある)の実は熟すとはじけて面白いように飛ぶが、カタバミの実もごくごく小さいが、同じように熟すとはじけて実を飛ばすので、子どものころの楽しいおもちゃでもあった。全草が口にするとすっぱい味がするので、別名はスイモノグサ(酸い物草)。 この辺のちょっと高い山に登ると、ミヤマカタバミにお目にかかれる。これはカタバミよりいくらか大型で白か淡紫色の径15mmほどの品の良い花を咲かせる。この他、教会の庭にあるのはムラサキカタバミ。実際には赤紫の花を咲かせるが、これは南米原産で江戸時代に入ってきた帰化植物。 今は見なくなったが、こどものころ流行った疥癬、タムシなどの寄生性皮膚病には全草をつぶして患部につける民間療法があった。すっぱいと言えば、スイバ(スカンポ、タデ科)の根をすりおろした汁にも抗菌作用があり、これはもっと効いた。両者に含まれる主な成分は蓚酸。これはほうれん草やレタスにも含まれているので、一時、体に良くないなどと話題になったことがある。カタバミやスイバの葉も同じように食べられるが、子どもが遊びで口にするくらいでは、大騒ぎすることはない。 ![]() 2004.08.
|
||||||||
© はるなキリストの教会 |