ヤマユリ(百合)/ユリ科 ユリ属
 昨年、球根を植えたヤマユリが一輪咲いて、あたりによい香りを放っている。そのほか、教会の庭にはユリ科に属する植物としてスズラン、マイズルソウ、コバギボウシ、ジャノヒゲ、ショウジョウバカマ、ヤマホトトギス、アサツキ、ギョウジャニンニク、ノビル、オニユリ、チゴユリ、カサブランカなどがある。

 イスラエル近辺には、多数のユリ科の花がある。深井千代子さんからいただいた、「イスラエル花図鑑」では和名がほとんど載っていないので、属名だけをあげると、チューリップ属、ヒヤシンス属、ムスカリ属、ツルボ属、バイモ属、イヌサフラン属、オオアマナ属、ツルボラン属、ヒヤシンス属、ネギ属、ユリ属などに属する花がある。以前、NHKでガリラヤの野を放映したことがあるが、ヘルモン山の雪がとける春になるといっせいに花が咲き出すさまは見事であった。かの地を訪ねたいという念願は久しいが、いつになることだろうか。

 聖書には、「ゆり」ということばがたびたび出てくる。列王記 T 7:22、詩篇 45篇、雅歌 2:16、これは、「ショーシャーン」ということばが使われている。歴代誌 U 4:5、ホセア 14:5は、「ショーシャナー」、以上はヘブル語で、マタイ 6:28ではクリノン、ギリシャ語である。いずれも、「ゆり」と訳されているが、今週の写真に見るような、「ゆり」そのものを指しているのではない。いのちのことば社で出している新聖書辞典によると、「ユリと称されているものは・・・ハス、アヤメ、アネモネ等、美しい野に咲く花を指しているのであって、今日では多くの学者は、イスラエルの野に最も普通なアネモネであろうと言う。しかし、イエスは特定の花の名を言われたのではなく、非常に美しい花を指して言われている。英語ではユリ科でなくとも、例えば睡蓮をウオーター・リリーと呼ぶように、美しい花にリリーということばをつけて呼ぶことがあるので、イエスの使われたことばを、「ユリ」ととってもよいのではないか。」と解説している。いずれにしても私たちがヤマユリを想像するようなユリ属の花には、「マドンナ・リリー」と呼ばれる、か細い感じの白いユリがあるそうだが、ガリラヤ地方では自生はまれという。

 おまけのトリヴィア:イエスの墓から白百合が咲き出したというのは後世の作り話であって本当の話ではない。これ以外にもキリストを起源とすると世間で思われていることで、実は全く関係ないもの、例えば12月25日にイエスが生まれたとするクリスマスをはじめずいぶんとある。これはそもそもローマの冬至のお祭りと北欧の樹木崇拝などが混じり合ったもの。


2004.07.
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