ノゾリキスゲ(ニッコウキスゲ)/ユリ科 ワスレグサ属
 Mさんは十数年も心臓で苦しんできたが、昨年の12月、名医と出会い大きな手術を経て新しい人生を歩み始めた。手始めに自動車の運転免許をとって2ヶ月、今、かわいらしいマーチに乗っている。そのうちにドライブをしましょうと約束していたのが、先日、実現した。野反湖まで2時間のドライブである。
 例年、この時季の湖畔はノゾリキスゲでまっ黄色に彩られるが、今年は異常気象で花が少なかった。しかし、さっそうとしたハンドルさばきを見るにつけ、ここまでお支えくださった神の恵みに心から感謝し、耐え忍んできたMさんとご家族のご努力にじんとくるものがあった。
 一般にはニッコウキスゲで知られているが、和名はゼンテイカ。当て字は何種類かがある。ちなみに花言葉は「日々新たに」。学名はHemerocallis middendorffii esculenta. ヘメロカリスとは聖書のギリシャ語でも大切な用語「ヘメラ=一日」と「カリス=恵み、優雅」の合成語で、一日ごとに咲く花であることから名つけられている。最近、この園芸種がヘメロカリスという呼び名で方々に植えられ、花園が出来て、榛名町でもNHKニュースで報道された。
 属を代表するワスレグサは、詩経の「」、これを食すると憂いを忘れるという故事から来た名。古く中国から渡来してきた花で、万葉集や今昔物語にもその名が出てくる。
 この仲間には榛名湖畔に咲くユウスゲ(>写真参照)が有名であるが、これは夕方、花がひらいて、翌日の朝にはしぼむので夕萓という。また、その辺の土手などに咲くノカンゾウ、ヤブカンゾウがある。子どもの頃、この花を見ると物事を忘れてしまうというので、宿題などがあった日など、この花に出会うとドキッとしたものである。この二種類は学名の最後にもつけられているように、若芽はゆでて、酢のものにして食べられる。とろっとして少しあまみがある。

 忘れるといえば、忘れることの出来ない聖書のことばがある。
「わたし、このわたしは、わたし自身のために、あなたのそむきの罪をぬぐい去り、もう、あなたの罪を思い出さない。」イザヤ書 43章25節
 私たちは誰かを許したといいながら、それを決して忘れず、執拗に覚えていて、ことごとに取り上げては、相手ばかりか自分までをも苦しめるのであるが、キリストの神は真実の神であって、その赦しは決して揺らぐことはない。私たちの創造の神に対する罪をイエスの十字架のゆえに、お赦しになられたばかりか、私たちを愛され、ご自分のもとへ再び迎え入れてくださるのである。


2004.07.21
拡大して見る(687*514px) ]


>> 最新の写真
© はるなキリストの教会