サンシュユ

 サンシュユ(山茱萸、Cornus officinalis、ミズキ科、ミズキ属、落葉小高木)。手元の図鑑では、享保年間(1720年頃)に中国より渡来とあるが、国語辞典である大言海には、延喜年間(901~923年)に深根輔仁が編集した日本現有最古の薬物辞典に、すでに山茱萸として載っているというから、どうしたのだろうか。アキサンゴと言われるほどのきれいな実が秋になるとつく。種を取って果肉を干したものを生薬とするという。リンゴ酸、酒石酸、没食子酸などをふくみ、滋養強壮、抗菌、頻尿に効くという。


撮影 2017年03月、本郷町

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撮影 2017年03月、本郷町

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撮影 2017年03月、本郷町

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バイモ

 バイモ(アミガサユリ、ユリ科、バイモ属、Fritillaria verticillata Willd.var. thunbergii(Miq),Baker )中国原産、花の内側は紫色の網状になっているので、日本では「アミガサユリ」とも。北海道では平地でも見られる高山植物、クロユリと同じ属。ユリ科だから鱗茎があり、これが親貝が子貝を抱いているように見えるので、母の貝と中国では名付けた。何年か前に晶子さんからいただい苗だが、毎年元気に芽を出している。地方によっては野生化しているというが、この辺では見たことがない。この鱗茎は有名な漢方薬で、咳止、のどの不快感に効くというけれど、私は試したことはない。成分はアルカロイドの、フリチン、ベルチチン等。


撮影 2017年03月、本郷町

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撮影 2017年03月、本郷町

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ヒメオドリコソウ

 ヒメオドリコソウ(姫踊子草、Lamium purpureum、シソ科、オドリコソウ属)。ヨーロッパ、小アジア原産。明治26年に東京の駒場で発見されたとの記録が残っている。今では各地に帰化植物として広がっていて、農家にとってはホトケノザとともに厄介な草でもある。茎の上の方の葉は紅紫色を帯びている。茎の上部の葉腋に小さな淡紅色の唇形の花を1~3個つける。和名は笠をかぶって踊る村娘を連想して付けたというが、私はむしろドガ(Edar Degas)の踊り子を思う。


撮影 2017年03月、本郷町

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ハナニラ

 ハナニラ(花韮、Ipheion uniflorum Rafin. ユリ科、ハナニラ属)。アルゼンチン原産、明治時代に渡来、今では各地に自生している。多年草。「ベツレヘムの星」と言われるようにきれいな花が咲き、葉がニラに似たにおいがあるので名付けられたというが、ニラはネギ属。花は白く、散形花序。 ルリムスカリ(Muscari botyyoides Mill.、ユリ科、ムスカリ属。南西アジア原産、花の名前はギリシャ語の、「じゃ香」から。ある種のムスカリは、そのような香りを持っているというが、庭のにはない。


撮影 2017年03月、本郷町

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トサミズキ

 トサミズキ(土佐水木、マンサク科、トサミズキ属、Corylopsis spicata Siebold、落葉低木、日本固有種) 高知の石灰岩地に多く生えているので名付けられたという。江戸時代には既に庭木として、いたるところで用いられていたという。葉に先立って、品の良い黄色の穂状の花序をつける。花弁は5枚で長さ7mm位のヘラ形。礼拝堂のよい花材となっており、毎年、枝を切らせてもらっているが、根元に薪ストーブの灰をまいているせいか、負けずに新しい枝を伸ばしている。同じミズキといっても、ヤマボウシ、ハナミズキはミズキ科。今庭で満開のサンシュユもミズキ科。


撮影 2017年03月、本郷町

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撮影 2017年03月、本郷町

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クサボケ

 クサボケ(草木瓜、榛名ではシドミ、また、その果実の形からジナシともいう。バラ科、ボケ属。関東以西の日当たりのよい山野に自生する落葉低木。Choenomeles japonica)。榛名ではシドミといったり、また、 その実の形からジナシともいう。3~4㎝の小さな実だが、黄熟し、かじると酸っぱく、子どものおやつだった。地を這うように伸びる枝には、ところどころ枝が変化したトゲがある。お隣の嶋方さんは、礼拝堂をかざる花材にもしている。枝を切っても、次々に伸ばしてくる元気さがある。 「幼き日 友とたわむる 山の辺の 土手のクサボケ 思いなつかし」


撮影 2017年03月、本郷町

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撮影 2017年03月、本郷町

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スイセン

 スイセン(水仙、Narcissus lonquilla―黄水仙-、ヒガンバナ科、スイセン属) もとは地中海沿岸が原産地で、古く中国から伝来したと言われる。日本各地に自生している。その後、明治になって南欧からラッパスイセンが渡来。今は様々な品種が作られていて、名前を覚えきれない。庭のスイセンも2種は、14年前にここに戻ってから植えたものだが、他は全部、母が育てていたものだから60年は、毎年、花を咲かせていることになる。毎春、野草の食中毒が報道される。この水仙にも強い毒がある。特に鱗茎に多い。リコリン、タゼンチン、ガランタミン等のヒガンバナ・アルカロイドだ。ニラと間違えて食べたと言われるが、細い葉の種類もあるけれど、どうして間違うのかな? 春の日の花とかがやく昼休みです。


撮影 2017年03月、本郷町

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撮影 2017年03月、本郷町

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撮影 2017年03月、本郷町

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撮影 2017年03月、本郷町

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撮影 2017年03月、本郷町

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撮影 2017年03月、本郷町

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ミツマタ

 ミツマタ(三椏、ジンチョウゲ科、ミツマタ属。Edgeworthia chrysantha、落葉低木)。中国南部からヒマラヤあたりが原産地。名の由来は、枝が全て三又になっているから。春のお花は黄色が多いが、ミツマタもそう。まだ葉が出ない先に球形の頭状花をいっぱいつける。花弁と見えるのは萼で、筒状の先は4裂し、内側が黄色、これが目立つ。最近は赤い花も出てきている。外側には細かな白い毛が密生している。昔は「黄瑞香」とも呼んだという。全体の姿からして、よくぞ名付けたと思う。ほんのりした香りを持つが、バラのような甘い香りではなく、きりっとする香りである。日本ではこの樹皮を漉いて、お札を作っていることで知られている。また、この花を採って乾燥したものは生薬となり、煎じて飲むと熱冷ましになると本に書いてあるが、我が家では試したことはない。


撮影 2017年03月、本郷町

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撮影 2017年03月、本郷町

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