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ユキノシタ(雪ノ下)/ユキノシタ科 ユキノシタ属 クイズを一問。「教会の庭にはアジサイ、ダイモンジソウ、バイカウツギ、ヒマラヤユキノシタ、ヤマネコノメソウ、チダケサシ、ユキノシタが生えているが、これらの共通点は何か」 いずれもユキノシタ科に分類されるというのが答えである。 ダイモンジソウは花も格好も似ているので、一目で分かるが、アジサイやバイカウツギ−これは昔、北岳の大樺沢で出会って以来の念願がかない、教会の庭にも植え、先ごろまで真っ白い花をたくさんつけていた−、チダケサシとなると、ちょっと分かりづらいだろう。 ユキノシタ。牧野富太郎博士の図鑑によると、和名は白い花を雪に見立て、その下に半常緑の葉が見えるさまをいうと説明されている。美しい名前だ。 日本では北海道を除き、湿っている場所や、ちょっとした庭など、どこにも生えている多年草。写真では見づらいが、花弁は五枚ある。ダイモンジソウの花はまさに大の字に見えるが、ユキノシタは、上部の3枚はピンク色の斑点があり、ごく小さい。下の2枚は真っ白で大きく、披針形である。全草柔らかな毛に覆われているので、生薬では虎耳草といわれる。葉の表は白っぽい葉脈が目立つ暗緑色、裏側は赤紫色である。これは庭で、今、たわわに実をつけているブルーベリーと同じように、アントシアニンを含んでいるためである。 山菜としては、ゆでて和え物にもできるが、裏だけにころもをつけて、てんぷらにするのがもっともおいしい食べ方であると思う。半日陰で湿った場所に植えておけば、どんどん増えて、一年中、重宝する有難い山菜である。 薬草としても、さまざまに使われる。最近はあまり見なくなったが、私の子どものころは、よくひきつけを起こす子がいた。そんな時、あわてるお嫁さんをおいて、おばあさんが庭からユキノシタの葉を何枚かとってきて、塩で揉んで、その汁を食いしばった歯の間から口の中に入れてあげていた。痙攣しているのだから、多量の水分を口に入れることは大変、危険だが、今、思い出して見ても少量のようであった。オデキ(腫れ物)にも効いた。ドクダミの葉も同じように使えるが、葉を新聞紙でくるんで、熱い灰の中に入れておくと、やわらかくなる。それを患部にはると、膿がよく出たものである。陰干しした葉を煎じて飲むと利尿作用があるとも言われていた。懐かしい草本の一つである。 雪を使った聖書のことば: 「忠実な使者はこれを遣わす者にとって、夏の暑い日の冷たい雪のようだ。」 箴言 25章13節 ![]() 2004.06.
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