アカバナ

 アカバナ(赤花、アカバナ科、アカバナ属)、昔からこの辺に咲いている野草。7月中旬以降、高原を彩る、ヤナギランと同属とは見えないでしょう。ほうっておくと、どんどん増えるので可哀想だが、今頃は他の草と同じにむしっています。 スズラン(鈴蘭、ユリ科、スズラン属)。12年前に故郷に戻ってきた時、礼拝堂の表額や門柱の札を予算案が厳しかったこともあるが、自分で彫ろうと上野村の森林組合に木材を捜しにいたことがある。そのとき、庭先に見事なスズランの群落があったので、思わず褒めたら、女性職員の方が掘ってお土産に下さったのが、今は裏庭に一杯に増えている。故郷とはいえ、50年ぶりに帰って来た浦島太郎が触れた、上州の人情の懐かしい思い出ででもある。ヤナギランといったり、スズランといったりするが、両方ともラン科でない。スズランは香水をとったりするが、全草が毒草である。


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町

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シロリュキュウ

 シロリュキュウ(白琉球、ツツジ科、ツツジ属)。今は天に召された従兄が、献堂記念に植えてくれたもの。年ごとに花が増えてきている。シラン(紫蘭、ラン科、シラン属)。別に植えたわけでもないが、このあたりでは、どこにでも見る。花が終わると、つんと突き出た鞘状の果実を残し、枯れた後も、なかなか趣がある。他に庭に見る、ラン科の植物は、シュンラン、エビネ、モジズリ。「九十九折の 人生を経し 従兄なれど 今は天にて、安らうはよし」


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町

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ミズバショウ

息子一家が来て、思いがけず戸隠の森林植物園に連れて行ってもらえた。残雪も多く、少し早かったが、それでも、久しぶりに出会った花々は懐かしく、いくつかをご覧に入れましょう。ミズバショウ(水芭蕉、サトイモ科)、、リュウキンカ(立金花、キンポウゲ科)、アズマイチゲ(東一花、キンポウゲ科)、カタクリ(片栗、ユリ科)、キクザキイチゲソウ(菊咲き一花草、キンポウゲ科)。「衰えし わが身なれども 子が連れし いたるところに 青山ありし」


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町

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シャクヤク

 シャクヤク(芍薬、ボタン科、ボタン属)、ボタン(牡丹、ボタン科、ボタン属)。どちらも似た花ですが、シャクヤクは冬になると地上の茎、葉は枯れ、春に又、芽を出します。牡丹は冬、葉は落ちますが茎は木のように残り、年々、成長します。牡丹色の花のボタンは咲き終わり、これから黄花のボタンがしばらく咲きます。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と昔の人は美人に見立てましたが、面白い事に、この三つはそれぞれ薬草としての効能があり、特にご婦人方に役立つ成分があるといいわれます。才色兼備なのですね。「人の目は うわべのみにて あがむれど しかし主の目は 心をぞ見る」


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町

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ヒルガオ

 ヒルガオ(ヒルガオ科、ヒルガオ属)。朝鮮半島、中国に分布するというが、学名はCalystegia japonica Choisy。種子はなく、根で広がる多年草であるから、たいていは嫌われもの。若芽は食べられるというが、さすがの私も食欲はわかない。同じ科のアサガオ属のアサガオに対して昼に咲くから名付けられた。また、夕方に咲く、ユウガオもあるが、これはウリ科、ユウガオ属、大きな液果は、そのまま食べたり、栃木県が有名であるが干瓢を作る。 「朝は主を仰ぎ、起き出し 昼励み ゆうべの感謝 あらまほしかな」


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町

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キャラボク

 庭にはいろいろな木が植えられているが、針葉樹はキャラボク(伽羅木、イチイ科、イチイ属)がある。日本海側の深い山に行くと自生しているのが見られるが、上には伸びず、よく枝分かれして地面に這うように広がる。雌株は大きくなると赤い実をつける。これは土木会社を経営していた従弟の智司くんの形見でもある。彼は教会の庭の造成、大きな石を使った石積みなどを手伝ってくださった。また、アスナロもある(翌檜、ヒノキ科、アスナロ属)。これは水上の奥の湯の小屋温泉に近い、翌檜山荘の淑子さんから10年前にいただいたもの。日本特産で大木になる。昔話に、みんなから好かれ、神社建築にも使われる、大きな檜になりたいと願い、明日はヒノキになろう、翌日は檜になろうと、今も願っているのだそうな。


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町

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ハクチョウゲ

 ハクチョウゲ(白丁花、アカネ科、ハクチョウゲ属)。台湾原産というが学名はSerissa japonica。気が付かなかったが沖縄には自生しているという常緑小低木、ただ、榛名の冬はけっこう厳しいので、葉はずいぶん落ちる。江戸時代には既に生け垣に使われていたそうだ。花冠は長さ1cmくらいの漏斗状で先が5裂、まれに6裂。目立たないが、傍で見るとなかなか趣がある。果実は殆ど実らないが、どういうわけか、東の入り口の生け垣の下に芽を出し、一昨年あたりから花をつけ始め、今年は真白に咲き始めた。 「鳴瀬川 残れる白鳥 語りしに 我も同じと 仮設の悲し」 河原に帰らずにい残る白鳥をみて、仮設住宅の方とお話をしたところ、私達も帰るところがないのですといわれて、息をのんだ・・・・・


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町

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バイカウツギ

 バイカウツギ(梅花空木、ユキノシタ科、バイカウツギ属)。どこかで書いているが、この花にはじめて出会ったのが、北岳、大樺沢の二俣あたりで、今も強烈に覚えている。12年前、六合村の山本さんを訪ねた折に、苗木を求めてきたが、毎年花を咲かせている。同じころに、この庭を整えたが、嬬恋村に行って浅間石を分けてもらい、小さな築山を作った。その岩陰に今はユキノシタがたくさん生えている。ユキノシタ科には、庭にもあるアジサイ、この辺の山に生えるウツギ、ヒメウツギ、コアジサイもそうであり、榛名山に自生するイワガラミもユキノシタ科である。ウツギといっても、先週、今週と嶋方さんが自宅の庭から切ってきて、礼拝堂を飾ってくださっている赤い花のヤブウツギはスイカズラ科である。入り口 のスイカズラは、今年、雨が少なかったせいか、花も小さく、もう咲き終わった。「若き日に アルプスの峰 歩きしは いまの我をば 強く支えり」


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町

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ウツボグサ

 ウツボグサ(靱草、シソ科、ウツボグサ属)。日本各地の日当たりのよい山野に自生する。榛名高原にも、あるところに群生している。ここにあるのは母方の縁戚に当たる方が増やしたのを、いただいたもの。名前は花穂が、昔、武士が弓矢を入れるために背中に背負った靱(ウツボ)の形に似ているからつけられたという。花穂は咲き終わると褐色に変わるので、別名を夏枯草といい、これが漢方薬の名前にもなっている。全草を煎じて、消炎、利尿、そのほかによいという。花びらは食べられると言うが、ちょっと可哀想だ。ただ葉、茎を、お茶にすると、暑気払いによいというので、今度試してみよう。 「神の義は剣を鍬に 槍を鎌と 打ち直しけり 花うつぼぐさ」 イザヤ書 2章1〜4節より詠める。


撮影 2015年05月、本郷町

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トウダイグサ

 トウダイグサ(灯台草、トウダイグサ科、トウダイグサ属)。庭の草取りをしていて、見つけた。昔、お皿に灯心をつけた灯明台に花の形が似ているので名付けられた。この庭には、ほかに、同じ科の有毒な植物、ショウジョウソウ、コニシキソウ、ポインセチア、ハナキリンがある。いずれも折ると、白い乳液をだし、触れたりすると、かぶれたり、水疱ができたりするので気をつけたい。私は面の皮に比べて、手足の皮は厚いのか、かぶれない。


撮影 2015年05月、本郷町

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アスパラガス

 アスパラガス(和名は和蘭雉隠、キジカクシ科、クサスギカズラ属、天門冬の仲間で、多年生植物です)。今、おいしい時期ですね。昨日も福島のお友だちから送られてきました。どこから種が飛んできたのか、この2、3年、ローズマリーの根元に毎年、芽を出していますが、収穫はしていませんので、丈は伸びるばかりです。細かな葉に見えるのは、茎が細かく分かれたものです。栽培農家でなければ、なかなか花を見ることはないでしょう。雌株には秋になるとかわいらしい赤い実がいっぱい付きます。栄養を考えますと、これはすごい植物で、数多くの成分を含みます。有名なのはアスパラギン酸。


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町

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ヤマグワ

 ヤマグワ(山桑、クワ科、クワ属、落葉高木)。すっかり富岡製糸場が有名になったが、私の子どもの頃まで、この辺も養蚕が盛んであった。今は桑畑もなくなったが、庭先の道路をへだてた向こう側に小川があって、その岸辺に1本のクワが生えている。桑はお蚕が好んで食べたが、人間もその若葉をてんぷらにしたり、特に今ごろに熟すドドメ色の実は子どものおやつであった。♪ 山の畑の 桑の実を 小籠に摘んだは 幻か ♪ と私の好きな佐藤容子さん、寛子さん姉妹はシュガー・シスターズとして、全国のステージで日本の歌を歌われるが、その美しい日本語、豊かな声量、たぐいまれな表現力を、皆さんもぜひ聴いてください。また、このお二人は私たちの東北支援奉仕のチーム・メイとしても、大活躍されています。風が止まないで、少しぶれた写真になってしまいました。


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町

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ヤマブドウ

 ヤマブドウ(山葡萄、ブドウ科、ブドウ属)。今年は、花が一杯付いた。本来、野生のものだが、摘花した方が良いのかもしれない。秋になると真っ黒に色づく小さな実を口に放り込むと、まさに野生の酸っぱさ。人はこれで果実酒をつくったり、ジュースやジャムを作る。私はもっぱら、ヒヨドリなど、野鳥へのおもてなし。庭にはブドウ科の植物が、もう一つノブドウがある。これはノブドウ属で、球形の実は白色から淡緑色、そして紫、碧色と変化して面白いが食べられない。 使徒ヨハネは、その福音書15章に、イエス様がブドウを用いられて、私たちが本来有るべき、お方にあって、豊かに実をむすび、人々にお仕えしなさいとお話された、そのみことばを書きとどめているが、イエスさまは、自然をよく観察なさっておられ、折に触れて、その例えを以って教えられたことが分かる。  「いとし子よ われはまことの 葡萄の樹 われにとどまり 実を結ぶべし」


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ホタルブクロ

 ホタルブクロ(蛍袋、キキョウ科、ホタルブクロ属)。今、庭は花盛りで、ついつい、皆さんにお見せしたくなってしまいます。お邪魔して、申し訳ありません。昔、提灯を「火垂る袋」と呼んだことから、名付けられたという。また、幼い頃、暗くなってから、竹ほうきを持って、小川の岸辺に行き、ホタルを捕え、この花の中に入れて遊んだこともある。結局は殺してしまったが。「わらべらは ホタル閉じ込め 遊びしが み神の懐 われはやすけし」


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町

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ムラサキツユクサ

 ムラサキツユクサ(紫露草、ツユクサ科、ムラサキツユクサ属)。いつの間にか裏庭に咲いているが、明治初期に北米より、渡来、特に関東以南、今は野生化していて、あまり顧みられない。ただ、小学校の理科の実験で、原形質流動を顕微鏡下で見て、驚いた記憶をお持ちの方は多いのではないだろうか。この科名になっているツユクサになると、畑にしろ、庭にしろ目のかたきとされ、見つけ次第、根こそぎの運命となる。申し訳ないが、私もそうだ。ただ、抜いて、そのまま放置しておくと、なかなか枯れず、土さえ得れば、あっという間に根付いてしまうほど、繁殖力が旺盛。「世の中に 役立たぬもの なけれども 気に入らぬもの 露草除く」


撮影 2015年05月、本郷町


撮影 2015年05月、本郷町


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