ヒゴスミレ(肥後菫)/スミレ科 スミレ属
 昨年、裏の菊枝さんからいただいた苗を庭に植えておいたのが、いっぱいに増えた。そのほかにも、今、庭にはシロスミレ、タチツボスミレ、スミレ、ノジスミレが自生している。ここにはないが、この辺の里山の木陰にはエイザンスミレもよく見られる。
 万葉集に、「春ノ野ニ、須美禮摘ミニト、来シ吾レゾ、野ヲ懐シミ、一夜宿ニケル。」という歌があるほどに、わが国では大昔から、親しまれてきた野の花である。 またもや、飯泉先生の、「草木帖」からの受け売りになるが、日本はスミレ王国で、約60種が自生し、品種まで含めると200種を超えると教えられる。
 「キバナノコマノツメ」という山草をご存知だろうか。名前だけでは、なんだろうと思われるかもしれないが、これもスミレの仲間である。北岳や至仏山で出会っている。似ている仲間に、オオバキスミレがある。5月初めの八甲田の山麓に点々と咲いていた。このような名前なら、聞いただけでも分かるであろうに。
 こどもの頃は、春先に若芽を摘んできて、ゆでて食べていた。スミレの根をすりつぶすと、少しねばねばが出る。とにかく、食べられる山野草はいくらでもあって、それぞれに香りがあり、味も歯ざわりもちがっている。創造の神のみ手の妙である。
 スミレの薬効は多彩である。陰干しにした全草を煎じたものは、利尿、便秘、動脈硬化、不眠、精神安定に、同じく、煎じた液で温湿布すると関節炎に、生の葉を揉んでつければ、打撲、はれものに効くといった具合である。いつものことながら、服用には専門家の処方が必要なのは言うまでもない。

04年4月7日、教会の庭にて撮影
拡大して見る(1144*856px) ]


>> 最新の写真
© はるなキリストの教会