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ウメ(梅)/バラ科 サクラ属 榛名周辺は東日本随一の梅の産地である。そのわりに東京では、お目にかからなかった。だが、品質はよいので、他の有名産地の銘柄で製品にされることもあると聞くと残念である。子どもの頃、父の勤務の関係で水戸に数年いたことがあるが、偕楽園の梅花は全国的に有名で、時期ともなると、観梅号という臨時電車が出るほどである。梅林の規模を比べれば、榛名は圧倒的に大きく、枝ぶりもみごとであるが、これまた宣伝が下手で地方区に甘んじている。 梅は中国原産で、万葉の昔より、観賞用、食用、医用として親しまれてきたので、今では、その種類が何百ともなっている。絵画や詩歌にも盛んに使われる花である。尾形光琳の紅白梅図屏風は国宝となっているし、柿本人麻呂は歌に詠んだ。私の大学での大先輩、澤島政夫先生は梅の雅称である「好文木」と題した句集を出されたが、その中に、「菊坂を梅の湯島へみちをとり」との一句がある。私は長年、御茶ノ水に住んでいたので懐かしい情景が目に浮かぶ。 大都会ではなかなか経験できないが、ここは夜道を歩いていても、その上品な香りで花のありかが分かるし、白梅は暗闇でも、そこだけ、ぼうっと明るい。 使徒パウロは、コリントの教会にあてて書いた第二の手紙の中で、「神に感謝します。神は、いつでも、私たちを導いてキリストによる勝利の行列に加え、至るところで私たちを通して、キリストを知る知識のかおりを放ってくださいます。」と書き送っているが、キリスト者の願いは、世の光として生きることであり、梅のように、さりげなく、キリストの香りをまわりに放つことである。 ![]() 2004.03.
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