ウド(独活)/ウコギ科、タラノキ属

 この辺はウドを栽培もしているが、それもわずか。自生のものがいたるところにあるから。特に山奥のものは珍重される。

ウドは今が花盛り。ハナアブ、ミツバチ、クロスズメバチが盛んに来ている。ご覧のようになかなか品のよい花である。同じように今、花をつけているアマニュウ、シシウドは姿かたちが似ているけれど、これらはセリ科の植物。

 二人の子どもが小学校の5年と4年生のとき、奥多摩の山歩きを終え、初めて北アルプスの玄関口に連れて行った。新島々で電車を下り、延々と島々谷を登り、徳本峠から上高地に下ったのである。これは子どもたちにとり、厳しくも感激の山登りとなった。それ以来、長男は父親以上の山屋になった。

 子どもなので、途中、岩魚留小屋に一泊した。この山小屋はまさに山小屋、今、はやりの山のホテルでは全くない懐かしい山小屋、再訪を切に願いながら、もう30年が過ぎてしまった。今はどうなっているだろうか。経営はたいへんだろうが、私としては、いつまでも残しておきたい山小屋の一つである。

まだ、日差しの高いうちに谷川の音を聞きながら、露天の風呂に入った。都会育ちの子どもたちには、それは忘れられない体験となった。私たちが風呂に入っているそばで若親父が盛んにウドの花を摘んでいた。気にも留めなかったが、それが夕食にテンプラとなって出てきたのには驚いた。都会育ちの子どもたちも喜んで食べた。

実はその少し前に先代の親父さんは島々谷の急な増水に岩に取り残された人を助けたが、彼は流され亡くなっている。この事件はさまざまな波紋を呼び、随分と論議がなされた。

 


2006年8月28日 榛名町里見にて

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